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まえだ ひろし
前田 浩志弁護士
弁護士法人ONE 周南オフィス
山口県周南市毛利町2-11-2
対応体制
  • カード利用可
  • 分割払い利用可
  • 後払い利用可
  • WEB面談可
注意補足

駐車場あり/完全個室で相談/分割払いは要相談。※WEB面談は事前予約が必要です。

相続・遺言の事例紹介 | 前田 浩志弁護士 弁護士法人ONE 周南オフィス

取扱事例1
  • 調停
【遺産分割】相続人の1人が父の財産を私的に使い込んでおり,相続開始後に返還請求を行い返還された事例

依頼者:50代 男性

【相談前】
相談者Xさんは,父の死後,相続人Yさんの1人から遺産は何もないと言われていました。
しかし,Xさんは,Yさんのその言葉を疑っていました。というのもYさんは父の体調が悪くなってから父の病院への支払いを代わりに行うために通帳等を預かっていたことやその後から途端に羽振りがよくなるなどしたため,父の財産を父に無断で使い込んでいるのではないかと考えていたからです。
父の生前にも何度も使い込みをしていないか確認していたそうですが,Yさんは否定していたとのことです。
Xさんは調査をして真実を知りたいと考え,相談に来られました。

【相談後】
弁護士はまず,Xさんが把握していた父の預金口座の取引履歴を銀行から取得し,その他の銀行にも取引がないか,取引がある場合にはその全てについて開示するよう求めていきました。また,加入していた保険も調査すべく同様の手続をとりました。
全ての銀行,保険会社から資料が揃い,検討をしてみるとある銀行から連日のように数十万円が引き出されていました。
その引き出しがされていたのはATMを利用して引き出されており,父の自宅や病院の近くのATMではなく,Yさんの自宅や職場から近いATMで引き出されていました。引き出された預金の合計額は数千万円にもなりました。
そこで,弁護士はYさんに手紙を送り数千万円のうち使い込みがされていなければXさんが相続で受け取ることができたはずの2分の1の金額を返還するように求めました。
当初Yさんは使い込みの事実を否定していました。交渉は決裂したと判断し裁判へ移行します。
裁判の中でYさんは主張をコロコロと変え,最後には使い込んだことを認めました。
その結果,数千万円のうちの2分の1に近い金額をYさんがXさんに返還せよとの判決が確定し勝訴しました。

【コメント】
このような事案では,使い込みをした相続人が使い込みの事実を否定することが多いと個人的に感じています。当初は,認めなければ発覚しないと考えているのかもしれませんが,調査をすれば疑わしい引き出しがあることはすぐにわかってしまいます。
被相続人に無断で預金を引き出すことは,引き出した時点で違法の評価を受けます。そのため,被相続人から同意書や委任状をもらっておかなければ,承諾を得て引き出したことは証明することができません。
一方で,使い込みを疑われることが怖いのであれば使途やその金額がわかるように領収書などを保管しておくべきでしょう。
このように使い込みの事実は意外と判明しやすいと思います。
ただし,銀行の取引履歴は開示を求めた日から遡って10年分しか開示されないことが多いです。
したがって,預金の使い込みを疑ったらすぐに弁護士に相談して動き出すことが重要になります。時間が経てば経つほど証拠は失われ,返還を求める側が不利になっていきます。
取扱事例2
  • 協議
【遺産分割】父母の所有する土地上に建物を建てて住んでいた子(相続人)が土地を単独で相続することに成功した事例
【相談前】
Aさんの母が亡くなったため,母Bさんの相続でご相談にいらっしゃいました。
Aさんの父Cさんは10年前になくなっており,母が先日亡くなったとのことでした。
Aさんは自宅を建てて家族で住んでいましたが,その自宅が建っている土地が母名義の土地でした。
母の相続について遺産分割協議を進めていましたが,他の相続人Dさんが土地の取得を希望していました。Aさんも当該土地の取得を希望していました。
そうすると,AさんとDさんの意見をまとめると,当該土地を共有として遺産を分割することになってしまい,AさんはDさんの所有する土地上に自宅を建てているため,土地使用代を請求されてしまうおそれがありました。
そこで,Aさんは,当該土地を単独でAさん所有のものとするために弁護士へ依頼しました。

【相談後】
弁護士は,まず,Dさんと話し合いを行いましたが,AさんとDさんの兄弟仲が悪く,DさんはAさんの希望に合意することはないと話されました。
そこで,遺産分割調停を申し立てて,裁判所を関与させながら話し合いを進めました。 しかし,Dさんは一切,話し合いに応じることなく,当該土地を譲る気はないと一点張りでした。
話し合いでは解決は困難と考え,調停手続を終了し,遺産分割の審判手続へと移行しました。
審判では,Aさんが母Bさんから承諾を得て当該土地の上に自宅を建てていたこと,母Bさんに土地使用代を支払ったことはないこと,自宅を建てて既に20年が経過していること,現物分割をすれば土地の価値が著しく低下してしまうこと,どのような分け方をしてもAさんの自宅がDさんの土地上にまたぐ格好となりAさんとDさんが将来に土地の使用方法などをめぐって争いになる可能性が高いことなどの事実を主張し代償分割すべきことを主張しました。
裁判所は,当方の主張を採用し,AさんがDさんに,Dさんが法定相続分で取得できるであろう土地の持ち分に相応する代金を支払うことと引き換えに,Aさんが土地を単独で取得する旨の審判を下しました。
Aさんは,その審判に従いDさんに裁判所で決定された金額を支払い,登記名義を母BさんからAさんへと変更することができました。

【コメント】
不動産の遺産分割において,誰が(AさんかDさんか),どの不動産を(本件では土地),どのように取得するのか(単独所有か共有か)について,相続人間で合意ができない場合には,現物分割によって遺産が分割されるのが原則です。
 詳細を省き簡単にいえば,相続人が2人おり,2分の1ずつの法定相続分であったとすると,土地を2つに切り分け,それぞれを1つの土地としてしまい,それぞれが単独で所有者となる分け方です。
 そうなると,土地の価値は下がることが想定されます。また,Aさんの自宅はDさんが所有する土地の上に建てられていることから,不仲のAさんとDさんは当該土地をかすがいとして関係性が継続してしまいます。
 このような状況では,またDさんとAさんの間で,当該土地の使用方法を巡って争いが生じてしまうことは目に見えています。
そこで,AさんがDさんに法定相続分にしたがって遺産を分割すればDさんが取得できたであろう価値を金銭で支払うことによって,Dさんの不利益を回避しつつ,土地についてAさんの単独取得を認めるという代償分割という分け方が例外的に認められています。
審判手続によって代償分割で遺産を分けることが認められたため,AさんはDさんに金銭を支払い,Aさん単独の所有とすることができました。
そのため,Aさんは自身が所有する土地上に自宅を建てていることとなり,遺産分割の関係では将来,Dさんと紛争の関係になることはなくなりました。
取扱事例3
  • 相続人の調査・確定
【相続財産管理人】土地の所有者が死亡していたが,相続財産管理人の選任を申し立てることによって土地を取得することができた事例
【相談前】
Aさんの自宅横の空き地が所有者死亡のまま放置されており,Aさんはその土地を購入して駐車場として利活用したいと考えていました。しかし,土地家屋調査士の先生に相談をしましたが,所有者を見つける必要があり,紹介で相談に来られました。

【相談後】
担当弁護士は,登記簿から所有者の相続人を調査しました。しかし,所有者とされている人やその両親,兄弟もすでに亡くなっており,誰も相続人がいない状態でした。
そこで,担当弁護士は,家庭裁判所に相続財産管理人の選任申立てを行い,担当弁護士が裁判所から相続財産管理人に選任されました。手続きを進め,隣お空き地の所有者に相続人がいないことが確定しました。担当弁護士は,当該空き地の売却をしなければならないことからAさんが買い手となり空き地の売買契約を締結して,Aさんに売却することができました。
売却の際に行われる所有権移転登記の手続なども弊所で行い,ワンストップで解決することができました。

【コメント】
売買契約を結ぶには,売主と買主の双方で合意をしなければなりません。しかし,本件の場合には売主となるべき人がいませんでした。
相続財産管理人が選任されると,その管理人は裁判所の命令により亡くなっている所有者から管理人に所有権を移転させることができます。そうすると,所有者が管理人になります。
その後,管理人は土地の売却先を探すこととなります。国庫に帰属させることもできますが,原則として買い手が見つかる場合には売却をすることとなります。それは,土地を国庫に帰属させてしまうと管理のコストを国が負担しなければならなくなってしまうため,できる限り買い手を見つけてその者に管理をしてもらう方が国としても助かるなどの理由からです。
しかし,本件の場合でもAさんにだけ優遇して売却することはできません。管理人は裁判所から選任される立場なので,ある特定の人にだけ優遇をすることはできないからです。したがって,他に買い手がいないかをまず探す必要がありますし,相場よりも低い金額で売却することはあまり好まれません。本件の場合には他に買い手が見つからずAさんに売却することになり,結果としてAさんは隣の空き地を購入することができました。
このような制度を駆使することは簡単ではありません。このような手続を行うにも様々な落とし穴があることもありますので,まずは弁護士に相談した上で,弁護士と一緒に進めることが大事だと思います。
取扱事例4
  • 遺産分割
【遺産分割】相続人の一人が音信不通になっている状況からの遺産分割
【相談前】
Aさんの夫が死亡し,相続人はAさんと子2人でしたが,子の1人(相手方)とは数年間音信不通になっていました。Aさんが,相手方に夫が亡くなったことを伝えるため電話をしましたが,相手方は出ず,電報を送るも届かない状態になっており,遺産分割協議も進まず困り果てていました。そこで遺産分割を今後どのように進めたらよいか相談に来られました。

【相談後】
担当弁護士は,協議での解決が難しいと見込んだため,相手方の住所地を調査してすぐに家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てました。裁判所の手続を利用したことで相手方も素直に出頭に応じてくれました。これまで進められなかった話し合いが一気にまとまり,1回の期日で無事に調停が成立しました。また,数年間音信不通となっていたわが子と再会することができ,Aさんも喜んでおられました。

【コメント】
相続事件は,長年の親族間のわだかまりがあることも多く,相続人間での話合いが感情的な話合いになってしまったり,本件のようにそもそも連絡を返してくれず,なかなか遺産分割の話合いが進まないことも多いです。
しかし,弁護士から連絡や裁判所からの連絡には応じてくれることも多々あります。たとえば,本件のように家庭裁判所に遺産分割調停の申立てを行うと,裁判所から相手方に調停が申し立てられたこと,第1回期日に出頭を求める書面が送られます。親族からの連絡には応じないものの弁護士や裁判所からの求めには応じてくれるケースもあります。
もし仮に,調停期日の呼び出しにも応じてくれない場合には,調停は不成立となってしまいますが,その次の手続である審判手続へ移行することができます。
審判手続は,話合いというよりも裁判所が客観的な証拠関係をもとに決定という判断を下すことになります。その決定にしたがって遺産を分割することになりますが,審判の場合には相手方の協力が不要になるため,相手方の協力なしに遺産分割手続を進めることができるようになります。
取扱事例5
  • 遺留分の請求・放棄
【相続放棄】相続放棄の申述期間の考え方
【相談前】
「祖父の借金を私が返済しなければならないでしょうか。」依頼者の第一声でした。依頼者の祖父の相続人は,依頼者の父親のみでしたが,祖父が死亡してから3か月後に父親も亡くなったとのことでした。そして,父親が亡くなってから半年後のこと,依頼者は業者から借金返済の督促状が届くようになりました。祖父には生前に多額の借金があったことが判明しました。依頼者は,インターネットで色々と検索したところ,被相続人に借金がある場合,相続放棄をすればよいという情報を入手しました。ところが,相続放棄は相続開始から3か月以内に家庭裁判所で手続をしなければならないところ,父親は祖父の遺産を相続放棄することなく亡くなっており,また,祖父に借金があったことが判明した時期も父親の死亡からすでに半年が経過しており,依頼者は途方に暮れていました。

【相談後】
相続放棄は,相続人が相続開始を知った時から3か月以内に家庭裁判所に対して相続放棄をしなければなりません。今回のケースでは,祖父→父親→依頼者へと複数の相続が発生しているところ,相続放棄を行っていない父親が祖父から相続した遺産を,依頼者が相続放棄を行うことは,相続放棄の申述期間との関係で問題がありました。
しかしながら,依頼者から詳しく事情を聞いてみると,父親と祖父は,互いに県外で離れて生活しており,生前の付き合いも非常に疎遠だったことが分かりました。また,祖父が亡くなった後の親戚の集まりの際に,親戚の一人が,父親や依頼者の面前で,祖父は晩年には施設での介護のもと息を引き取ったとのことで,祖父には借金も含めて何の遺産も存在しないと言っていた事情もありました。
相続放棄の申述期間については重要な裁判例があります。すなわち,相続人が被相続人に相続財産が全くないと信じたことに正当な理由があれば,相続財産の存在を認識した時から3か月内に相続放棄の申述をすることが認められています。
本件では,父親も依頼者も祖父には借金を含め何らの財産もないと信じていた場合,父親の地位を相続した依頼者が,父親に代わって祖父の相続放棄の申述が認められる可能性がありました。
そこで,祖父や父親,依頼者の関係性や,生活状況,祖父の借金の判明の経緯などを時系列に即して書面にまとめ,親戚の話も報告書として作成するなど,裁判所に対して合理的な説明を行うことで,相続放棄の申述が認められました。

【コメント】
相続放棄の申述期間は,原則として,自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内とされます。しかしながら,裁判例では,被相続人と相続人との関係性,生活状況,債権者の通知の時期などを考慮して相続放棄を認めているものがあります。被相続人の死亡から3か月が経過した場合でも,相続放棄ができないと直ちに判断することなく,一度弁護士に相談することをおすすめします。
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