労働・雇用の事例紹介 | 沼倉 悠弁護士 あらた国際法律事務所

取扱事例1

• 未払い残業代請求

元従業員から高額の未払残業代を請求された会社の事例

依頼者：30代（男性）

【相談前】
会社を経営する男性は、喧嘩別れのような形で退職した元従業員から在職時の未払残業代の請求書が届いたとして、私の下に相談に来られました。
先方の側で仮計算した未払残業代は極めて高額だったため、経営者の男性は途方に暮れておられました。

【相談後】
私は、依頼者と協力して、社内に保管されていた勤怠管理資料を基に、正確な残業時間と残業代を再計算しました。
その結果、当方が支払うべき残業代の金額は先方の請求額より数百万円低くなり、依頼者もこの金額であれば支払えそうだと思われるようになりました。
そして、先方としても、勤怠管理資料を基に計算された金額を否定するわけにもいかず、最終的に当方の提示した残業代の金額で和解が成立しました。

【先生のコメント】
このケースでは、労働審判や裁判に移行することなく、当事者間の和解によって紛争が解決しました。
未払残業代の請求では、法律上の争点が多数あり、的確な主張・立証をすることによって、残業代の金額は大きく変わってきます。そこで、従業員から未払残業代の請求を受けた場合には、自社内で解決するのではなく、まずは弁護士にご相談をされることをお勧めします。

取扱事例2

• 労災

労働災害による損害賠償金の支払いを命じ、全額回収に成功した例

依頼者：50代女性

【相談前】
相談者は仕事中の清掃作業で手を骨折。職場に労働災害としての届出や補償手続きを依頼されましたが、職場からは手続きをしてもらえず、ご自身で労働基準監督署へ労働災害の申請をされました。
その後、労働災害保険の給付金が支払われたものの休業損害等の補填には程遠く、怪我が原因で就労が難しい状況であったことから、今後の生活を憂慮され、何か手立ては無いかと当事務所へ相談されました。

【相談後】
相手方と交渉で解決をしようと試みましたが、なかなかこちらの要望に応じてもらえなかったため、やむなく訴訟に移行し、判決を取得しました。しかし、それでも相手方は支払いに応じなかったため、強制執行により相手方の財産を差押え、賠償金の一部を回収したところ、相手方から残金の一括支払いの申出があり、無事に全額回収することが出来ました。

【弁護士のコメント】
仕事中の怪我や事故については、本来、労働災害として正しく処理されなければなりません。しかし、残念なことに、手続きの煩わしさや労働基準監督署の調査を受けることを嫌がって、職場が申告をしてくれないケースがあるのが現実です。
労働者という立場上、職場との関係を悪くしたくないという思いから言い出せないケースや、今回の相談者のように、職場にお願いしたけれど拒否されてしまうこともあります。使用者・労働者という関係上、ご自身での対応にはやはり限界があるかと思いますので、困ったときには一度弁護士にご相談ください。