離婚を希望する有責配偶者の慰謝料減額交渉の可能性は？

Question

有責配偶者です。
結婚生活　1年未満。
妻は専業主婦。
子供1人。二人目妊娠中。

一度だけ、同じ会社の女性と関係を持ちました。妻に怪しまれ、LINEのやり取りからバレました。ただ決定的な証拠になるような内容ではなかったため否定し続けたのですが、妻が相手女性に連絡をとり、会社の外にまで呼び出し、携帯電話の動画撮影前で、無理矢理認めさせた状況です。

その後も執拗に連絡をとり、高額な慰謝料請求をしたことで、相手女性は弁護士に相談し、妥当な慰謝料で示談で済ませたいと話していました。

ところが、妻は、すでに共通の会社の上司に連絡をとったようで、結果、会社にまでバレ、上層部からの聴取があり、相手女性も私も認めざるを得なく、ペナルティが与えられています。

当然の報いですが、会社内で居ずらくなったこと、また、ずっと妻から支配されているような扱いを受け、責められている環境も限界にきていたのか、仕事に支障をきたすようになり、会社から心療内科を受診し休むようにと言われ、現在、休職しています。

妻とは当初から関係構築も出来ていない上、
今後、修復も望んではおりません。

離婚または別居を強く希望しています。

金銭的な部分を明確にしないことには妻は応じる気配がありません。

そこで、養育費は支払う。
しかし、慰謝料は出来るだけ支払いたくありません。

彼女が行なってきた行動（会社に来る、車にGPSを仕掛ける等行き過ぎた行為）を考えると、社会的評価を受けたこと、心療内科では家庭不和が原因の適応障害と診断書があることから、減額は難しいでしょうか。

別居もしない、離婚もしないと言い張る妻が、会社にまでバラして一体何をしたいのか全く不明で。

離婚または別居するには、どのように進めていくべきか、また慰謝料は減額交渉できるのか、ご回答いただけますでしょうか。

よろしくお願いします。

髙橋 俊太 弁護士 · Answer

不貞が発端ということになると難しい展開にはなりそうですが、不貞前の婚姻生活状況や会社に暴露した行為の悪質性の有無・程度次第では、妻側にも一定の問題があるということにもなり得ますので、減額の余地はあるでしょう。別居については貴方の判断で進めることは可能ですが、別居後の婚姻費用の支払の問題が生じます。とはいえ、同居中の離婚協議が難しそうであれば、別居をして離婚協議・離婚調停という進め方になるでしょう。

北條 さやか 弁護士 · Answer

ネクスパート法律事務所の弁護士の北條です。

奥様がとられた行動、例えば「会社に事情を話したこと」や「車にGPSを仕掛けたこと」などが、社会的に許される範囲を超えていると判断された場合、慰謝料の減額事由となる可能性があります。
会社に報告したことであなたが懲戒処分などの社会的制裁を受けた事実は、裁判になった際に「すでに制裁を受けている」として考慮されることがあります。また、適応障害の診断書も、奥様の言動との因果関係を客観的に示すことができれば、慰謝料額を算定する上で考慮される要素になり得ます。
ただし、これらの行動が「不貞の証拠を得るための調査活動の範囲内」と見なされる可能性もあり、必ずしも減額が認められるとは限りません。

また、離婚または別居の進め方について、不貞行為を行った側（有責配偶者）からの離婚請求は原則として認められにくいのが実情です。結婚期間が短く、お子様がいて相手が離婚を拒否している状況では、すぐに裁判で離婚を認めてもらうのは難しいでしょう。

離婚に向けて進めるには、以下の手順が考えられます。
1.　別居を開始する
離婚を求める上で、夫婦関係が破綻していることを示すために別居は重要な段階です。ただし、別居中の奥様とお子様の生活費として「婚姻費用」を支払う義務が生じます。
2.　離婚調停を申し立てる
別居後、家庭裁判所に離婚調停を申し立て、第三者である調停委員を介して話し合いを進めます。奥様も金銭的な条件が明確になれば、話し合いに応じる可能性があります。