飲食店(バー)の深夜における酒類提供及び接待行為について
自分がたまにいくバー(スナック、キャバクラではない)で、深夜1時以降も酒類提供及び接待のような行為が行われているところがあります。
接待は、店員が客の隣に座り酒類提供をしたり、同じテーブルでカラオケをしたりです。
深夜営業許可はとっているとおもいますが、風俗営業、深夜酒類提供飲食店営業許可はとっているかわかりません。
もし、とっていたとしても、深夜1時以降の酒類提供をするときに同時に接待行為をしていたら、法的にどのようになるのでしょうか。
また、このような店は少なからずあるとおもいますが、どのような扱いになっているのでしょうか。
質問の意図としては、何か被害があったりするわけではありませんが、最近接客態度がよくないように感じて、質問したあたりの内容を確認したいと思ったためです。
もし、このような営業スタイルは法的には誤りであるとのことであれば、警察などが対応したりしないのは、上記のとおり、金銭的な被害などがあるわけではないこと、警察が対応できないほど件数が多いこと、あくまで民事不介入てわあるからでしょうか?
よろしくお願いします
風営法では、「接待」を「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと」と定義しています。具体的には、特定の客の近くに継続して付き、談笑したり、酒を作ったりする行為が典型です。また、特定の客にカラオケを勧め、手拍子や褒め言葉で盛り上げたり、客と一緒に歌ったりすることも「接待」に当たります。
したがって、例えばバーの店員が特定の客の隣に30分程度座り、酒を作りながら継続的に会話し、その後一緒にカラオケを歌うという営業を常態的に行っているのであれば、単なるバーの接客ではなく「接待」に該当する可能性が高いでしょう。
そして、設備を設けて客を接待し、飲食させる営業を行うには、原則として公安委員会の風俗営業(1号営業)の許可が必要です。
この許可を受けないで接待営業を行えば「無許可風俗営業」となります。
2025年の法改正により罰則は大幅に強化され、現在は、無許可で風俗営業を行った者について、5年以下の拘禁刑若しくは1000万円以下の罰金、又はその両方が科され得ます。さらに法人については両罰規定があり、法人に対する罰金の上限は3億円に引き上げられました。
したがって、「バーとして飲食店営業をしている」「深夜営業の届出をしている」というだけでは接待はできません。看板がバーであっても、実際の営業内容が接待飲食営業なら、風俗営業許可が必要です。
また、これは客に金銭的被害が発生した場合だけ成立する犯罪ではありません。無許可で接待営業をしているという営業行為自体が風営法上の問題になります。
風営法上の「深夜」とは午前0時から午前6時までです。バー・酒場など、酒類の提供を営業の中心とする飲食店が深夜にも営業する場合、原則として公安委員会に「深夜における酒類提供飲食店営業」の届出をしなければなりません(風営法33条)。
これは「許可」ではなく「届出」です。したがって、俗にいう「深夜営業許可」は正確な表現ではありません。
届出をしないまま深夜酒類提供飲食店営業を行った場合には、50万円以下の罰金の対象となります(同法54条)。また、公安委員会による指示や、一定の場合には6か月以内の営業停止命令の対象となる可能性もあります。
今回のバーを具体的に考えてみます。
例えば午前2時に、①客に酒を提供し、②店員が特定の客の隣に座り、③継続して談笑しながら酒を作り、④客と一緒にカラオケを歌っているとします。
深夜酒類提供の届出をしていなければ、まず①について「深夜酒類提供飲食店営業の無届営業」が問題になります。
しかし、届出をしていたとしても、②~④が営業として行われていれば別に「接待」の問題が生じます。深夜酒類提供の届出は、深夜に酒を提供するための制度であって、接待を認める制度ではありません。
したがって、風俗営業許可を取らずにこのような接待を常態的に行っていれば、無許可風俗営業が問題になります。
つまり、「深夜酒類提供の届出さえしていれば朝まで客の隣に座って接待できる」という理解は誤りです。
今回のような営業形態では、「深夜に酒を出していること」と「接待をしていること」を別々に検討する必要があり、無届営業と無許可風俗営業の双方が問題となり得るという整理になります。
回答ありがとうございます。
接待と、深夜酒類提供届出の2点に分けて考える必要があるとのこと、とてもわかりやすかったです。