取引先が独自開発プログラムの代金を拒否、損害賠償可能か?

1. 自身が独自に開発したプログラムコードにつき、取引先へ成果物として提示、および請求書を送付した。
2. 取引先からは、代金の支払いを拒否され、同時に取引中止を通知された。
3. 該当のプログラムコードには、Google アナリティクスへデータを送信するカスタム計測処理が実装されている。
4. 取引中止の通知に関連する期間において、当該取引先の名義が含まれるURLから、Google アナリティクスへのデータ送信(アクセスログ)が記録されている。
5. 当該URLにはアクセス制限(パスワード)がかけられており、外部から直接ブラウザ上で画面を確認することはできない。
6. Google アナリティクスに記録されたデータ送信元の地域(市区町村名)を確認したところ、当該取引先が公開している「取扱店(顧客)」の所在地域と、合計8件が完全に合致している。
この場合、著作権違反として損害賠償を取ることができるか?

損害賠償を請求できる可能性はありますが、記載されたアクセス記録だけで著作権侵害と判断することは難しいと思われます。まず、契約に基づく代金請求と、著作権侵害による損害賠償請求を分けて検討する必要があります。

代金請求については、発注・報酬の合意、成果物の完成・納品状況、取引中止の理由などが重要です。著作権侵害を立証できなくても、契約に基づいて代金等を請求できる場合があります。

一方、著作権侵害については、コードに著作物としての創作性があること、ご自身に著作権が帰属することに加え、許諾の範囲を超えた複製・改変等があったかを確認します。代金の不払いや取引中止だけで、直ちに著作権侵害になるわけではありません。

アクセス記録は利用をうかがわせる資料になり得ます。ただし、Google アナリティクスの市区町村情報は、IPアドレスから得られる大まかな位置情報です。顧客の所在地域と8件一致しても、その顧客が当該プログラムを利用したことまで直接証明するものではありません。(support.google.com)
また、記録だけでは、試験的な利用なのか、許諾範囲を超えた実運用なのかも判断できません。

契約書・発注時のやり取り、コードと制作履歴、取引中止の通知、日時・URL等が分かるアクセス記録を保存し、IT・著作権に詳しい弁護士に相談してください。代金請求の可否と、無断利用を裏付ける証拠の確保を併せて検討するのがよいでしょう。