既婚者と知らず関係を持った場合の損害賠償請求可否
既婚者であることを知らされないまま関係を持った男性への損害賠償請求について相談です。
2025年5月~10月頃、正式に恋人として交際していたわけではありませんが、相手と継続的に連絡を取り、複数回会って性的関係を持っていました。当時、相手から既婚であるとの説明はなく、私も既婚者とは認識していませんでした。
2025年の12月ごろに相手に彼女がいることが発覚し私から連絡を断ちました
2026年7月ごろに相手から再び連絡があり、交際相手の存在を私が気にした際も「何も言わなきゃバレない」「一旦彼女は置いといて」等と言われ、面会を繰り返し求められました。
最近、相手が2025年当時すでに既婚者だった可能性を示すSNS資料を確認しました。メッセージ原本・時系列・SNS資料は保存しています。
「独身」と明言された証拠がなく、正式交際でもない場合、貞操権・性的自己決定権侵害等による損害賠償請求は可能でしょうか。また、どのような追加証拠が必要でしょうか。
既婚者であることを知らされないまま性的関係を持った場合、相手男性に対し、貞操権・性的自己決定権侵害を理由として慰謝料を請求できる可能性があります。必ずしも「独身である」と明言されている必要はなく、既婚であることを意図的に伏せ、独身者であるかのような状況を作って性的関係を持った場合にも、不法行為が成立する余地があります。本件では正式な交際関係ではなく、「独身」との明確な発言もないため、相手方から「既婚とは聞かれていない」「双方合意の関係だった」などと争われる可能性があります。慰謝料額としては、事情にもよりますが数十万円から100万円程度を中心に検討することになると考えられます。
証拠としては、2025年当時に既婚者であったことを示す資料、性的関係を裏付けるLINE等のやり取り、既婚であることを明らかにしていなかったことが分かる会話が重要です。また、2026年の「何も言わなきゃバレない」「一旦彼女は置いといて」といった発言も、相手の身分関係を隠す姿勢を示す補強材料になり得ます。まずは保存済みのメッセージやSNS資料を時系列に整理した上で、弁護士に相談するのがよいでしょう。
北里弁護士ありがとうございます。
大変参考になりました。追加でお伺いしたいです。
当時のメッセージには、相手から「独身」と明言された記録はありません。一方、2025年11月に私が相手に女性がいることを知り、「彼女がいる人とは会えない」と伝えたところ、相手から「最近出来まして」「言い出すのも気まずくて言えてなかった。ごめんね」と返信があり、その時点で私は関係を断っています。
また2026年の再連絡時には、私が相手の交際相手を気にした際、「何も言わなきゃバレない」「一旦彼女は置いといて」等の発言がありました。
仮に、相手が2025年5月~10月の時点ですでに既婚者だったことを客観的資料で立証できた場合、これらのメッセージは、私が既婚であることを知らなかったことや、相手が身分関係を明らかにしていなかったことの証拠として有効でしょうか。
また、正式な交際関係ではなかった本件で、実際に慰謝料請求を検討する場合、現状の証拠に加えて特に何を立証できれば請求の見込みが高まるのか、優先順位を教えていただけますでしょうか。
また、相手本人に2025年当時の婚姻の有無を確認するメッセージを既に送っています。今後は本人への連絡を控えて証拠保全を優先した方がよいでしょうか。
追加でお知らせいただいた2025年11月及び2026年7月のメッセージは、本件を検討する上で重要な証拠になる可能性があります。
特に、2025年11月に相手が「最近彼女ができた」「言い出すのも気まずくて言えなかった」などと述べている点は重要です。仮にその時点ですでに婚姻していたのであれば、少なくとも相手が妻の存在を明らかにせず、あたかも最近交際相手ができたかのような説明をしていたことを示す事情となります。
また、あなたが「彼女がいる人とは会えない」と伝え、その後関係を断っていることも有力な事情です。これは、「既婚者であることを知りながら関係を続けていた」といった相手方からの反論に対抗する材料になると考えられます。
もっとも、これらのメッセージだけで直ちに慰謝料請求が認められるわけではありません。貞操権・性的自己決定権侵害を理由とする請求では、①相手が当時実際に既婚者であったか、②どのような説明をしていたか、③あなたが独身であると認識した経緯、④その認識と性的関係との関係、⑤交際期間・内容などを総合的に検討する必要があります。
そのため、今後は、まず2025年当時のLINE・DM等をできるだけ完全な形で保存してください。特に、独身・彼女・結婚・将来の交際等に関する発言、性的関係を推認できるやり取りは重要です。スクリーンショットだけでなく、可能であればトーク履歴全体もバックアップしておくとよいでしょう。
また、相手が2025年当時すでに婚姻していたことを確認する必要があります。弁護士に依頼した場合には、具体的な事件との関係で必要性を検討した上、職務上請求等によって戸籍関係を調査できる場合があります。
現段階では、相手を繰り返し追及するより、まず既存の証拠を保全することをお勧めします。既に婚姻の有無を尋ねているのであれば、返信が来た場合にはその内容も保存してください。
その上で、相手が婚姻していた時期、交際・性的関係の時期、当時相手から受けていた説明を時系列に整理すると、慰謝料請求の成否や請求額をより具体的に検討できます。
北里弁護士、追加のご回答もありがとうございます。大変参考になりました。
本件について実際に慰謝料請求を検討したいと考えております。先生に正式にご相談・ご依頼することは可能でしょうか。その場合、保存している2025年当時から現在までのメッセージ原本、時系列資料、SNS資料等を実際に確認していただくことは可能でしょうか。
また、相手が2025年当時すでに婚姻していたことを確認するため、弁護士による職務上請求等で戸籍関係を調査する場合についてお伺いしたいです。戸籍謄本や戸籍の附票等を取得したことが、相手本人に通知される可能性はあるのでしょうか。できれば、請求を検討していることを相手に知られる前に証拠を保全したいと考えています。
さらに、相手に対して慰謝料請求等の内容証明郵便を送ることも検討していますが、現時点で把握している相手の住所は「〇〇県〇〇市」までで、番地等の正確な住所が分かりません。氏名・電話番号等、その他の情報は把握しています。このような場合でも、弁護士に依頼した上で住所を調査し、内容証明郵便を送付することは可能でしょうか。
なお、安全面への不安があるため、相手に私の現在の自宅住所を知られたくありません。弁護士を代理人として、相手との連絡や内容証明の送付を法律事務所経由とし、私の自宅住所を相手に開示せず手続きを進めることが可能かについても教えていただけますと幸いです。