不貞慰謝料請求における恋愛感情の影響と交渉窓口の一元化について
現在、不貞慰謝料請求について相手方の弁護士と書面でやり取りをしています。
①
相手方は、
「過去に交際したことはない」
「ここ数年会っていない」
「恋愛感情・情愛感情を有したことがない」
「そのため不倫関係にはない」
ということをかなり強く主張しています。
ただ、私が問題としているのは、恋愛関係だったかどうかではなく、既婚者である夫と実際に性的な身体的接触があったことです。
私が把握している事実では、相手方女性は夫が既婚者であること、私が妊娠中であることを知っていました。
また、相手方女性本人と私のやり取りを録音した音声データや、夫本人が行為の内容を認めた書面・説明等の証拠があります。
相手方女性本人は、私が把握している事実とは異なり、
「夫から胸に触れられそうになったが拒絶した」
「それ以降、身体的接触はなかった」
「双方合意の性的接触はなかった」
と弁護士に説明しているようです。
一方で、私が保有している証拠では、実際には胸部・下半身への接触やオーラルセックス等の性交類似行為があったことを裏付ける内容があります。
このような場合、
・「恋愛感情がなかった」
・「交際関係ではなかった」
・「不倫関係ではなかった」
という点は、慰謝料請求の成否や金額にどの程度影響するのでしょうか?
また、性交そのものがなかったとしても、性交類似行為等が認められる場合には、慰謝料請求の対象となり得るという理解でよいでしょうか?
相手方が「不倫関係ではない」という言葉を繰り返し強調していることについて、法的にはどの部分が重要なのか知りたいです。
②
相手方弁護士からは、
「今後は相手方本人への直接の連絡・交渉はせず、弁護士を窓口にするように」
という趣旨の通知を受けています。
私はそれに従い、相手方本人には直接連絡せず、弁護士を通してやり取りしています。
ところが、その後、相手方女性の親族から、私の親族(義母)に直接連絡があり、本件について話をされたと聞いています。
このような状況で、
・私には「直接連絡するな」と言っている一方で、相手方親族がこちらの親族へ直接連絡することは良しとされているのでしょうか?
・相手方弁護士を窓口としている以上、相手方親族からこちらの親族へ連絡することについて、相手方弁護士に「今後やめるように」と伝えることは可能でしょうか?
なお、私は相手方本人・親族との直接のやり取りをしたいわけではなく、今後の交渉を相手方弁護士との間に一本化したいと考えています。
以上について、実務上どのように対応するのが適切か教えていただきたいです。
①「不倫関係ではない」「恋愛感情はなかった」との主張について
性交そのものがなくても、胸や下半身への接触、口淫などの性交類似行為は、その内容によっては不法行為と判断され、慰謝料請求の対象となる可能性があります。
また、「恋愛感情がなかった」「交際していなかった」という事情だけで責任がなくなるわけではありません。ただし、関係の継続性や積極性などは、慰謝料額に影響することがあります。
本件では、ご主人の説明書面や録音内容が重要な証拠になります。
② 相手方親族からの連絡について
弁護士を通じて交渉している以上、直接の連絡は控えてもらうのが適切です。
相手方代理人に対し、今後は相手方本人だけでなく、その親族へも直接連絡しないよう申し入れることも適切であると考えます。
①:不貞慰謝料請求において重要なのは、「恋愛感情があったか」「交際していたか」という呼び方そのものではなく、婚姻共同生活の平和を侵害するような性的関係・身体的接触があったか、そのことについて相手方に故意・過失があったか、という点です。したがって、恋愛感情や交際関係がなかったとしても、それだけで慰謝料請求が否定されるわけではありません。また、性交そのものに至っていなくても、性交類似行為の内容・程度によっては不貞行為ないし婚姻共同生活の平和を侵害する行為として慰謝料請求の対象となる可能性があります。もっとも、実際にどのような行為があったかは証拠によって判断されます。録音、夫の書面等があるとのことですが、それぞれの具体的内容や作成経緯、相手方の反論との整合性などを確認する必要があります。慰謝料額についても、行為の内容・回数・期間、婚姻関係への影響等が考慮されます。
②:相手方代理人から本人への直接連絡を控えるよう求められているからといって、それのみで相手方の親族がこちらの親族へ連絡することについて当然に禁止されるわけではありませんが、アンバランスで適切な状況ではないと思われます。そのため、相手方代理人に対し、「こちらも本人への直接連絡を控えているので、相手方本人のみならず、親族から当方親族への本件に関する連絡も控えていただき、連絡は代理人を通じて行ってほしい」と申し入れた方がよいでしょう。