住職交代による給与減額と退去命令の法的対策は?

宗教法人法についてです。先代の住職が亡くなり双子の兄が現住職となりました。兄が寺に入ることになり、私が給料減額と退去を求められています。仕事は減額理由を作るため、ほとんどさせてもらえないでいます。減額は元に戻せますか。また一生居座ることはできますか。労働契約法と宗教法人法では、どちらが強いですか。

宗教法人だから労働法が適用されないということではありません。僧侶や寺院関係者であっても、住職等の指示を受けて一定の仕事を行い、その対価として給与を受け取っているなど、実態として雇用関係が認められれば、労働基準法や労働契約法の適用を受けます。

その場合、寺側が自由に給与を減額できるわけではありません。減額に同意しておらず、合理的な就業規則変更等の根拠もなければ、従前の給与との差額を請求できる可能性があります。また、働く意思があるのに寺側が仕事を与えない場合も、「仕事をしていないから給与を払わない」とは当然にはいえず、寺側の事情による就労拒否であれば、賃金を請求できる場合があります。

一方、寺から退去する必要があるかは別問題です。住居が雇用に付随する社宅なのか、賃貸借・使用貸借なのか、寺族として居住してきたのか等によって結論が異なります。

今回のように代替わりを契機として給与減額、仕事の取上げ、退去要求が同時に行われている場合には、雇用契約書、給与明細、住居関係の資料、LINE・メール等を確認した上で、労働者性、未払賃金、退去義務を一体的に検討する必要があります。