インタビュー | 豊田 夕雪弁護士 弁護士法人法律事務所ロイヤーズ・ハイ 堺オフィス

ーーまずは、弁護士を志した理由から教えてください。

きっかけは中学生のとき、法律トラブルに巻き込まれたことでした。
そのときにお世話になった弁護士がすごく親切な方で、その姿に憧れるようになったんです。
当時の私は、法律について無知な子どもでした。
でも親だけでなく私にも、やさしい言葉で丁寧にいろんなことを説明してくれたんです。

だからでしょうか。子供にかかわる事件、例えば刑事事件の少年事件やお子様のことがある離婚、親権、男女トラブルに強い興味を持ちました。

そこから高校、大学、ロースクールと、一瞬の迷いもなく弁護士への道をひた走ってきました。


ーーそして、憧れを現実に変えました。

司法試験に合格して念願が叶ったときは、飛び上がるほどうれしかったですね。

その後は、大阪府内の別の事務所で経験を積んでから、現事務所に移籍しました。
以前の事務所は、弁護士が代表と私だけの少数部隊。
その分、みっちり力をつけられました。

今は打って変わって、若手から中堅、ベテランまで個性豊かな弁護士が名を連ねています。
相談件数も多く、年間2,000人を超える方々からお問い合わせいただいている状況です。

配属先の堺オフィスは、私の出身地です。
しかも、生まれてから今に至るまで、ずっと堺で暮らしています。
地元の方々の力になれることに、とてもやりがいを感じています。

ーー普段、どんなことを大切にして事件に当たっていますか？

私が以前から理想に掲げていたのは、中学生のときに出会った弁護士のように、親身に話を聞いてくれる弁護士でした。

「素人がこんな意見を言っていいのか」「見当違いだったら恥ずかしい」。
依頼者さまのなかには、そんな風に遠慮して口をつぐむ方が少なくないと聞きます。
でも、私はそんな不安な思いにはさせません。

依頼者さまがどんな思いを抱えていらっしゃるのか。
法的な部分をいったん脇に置いてでも、心にしまい込んだ不安や悩みに必ず耳を傾けるようにしています。
そのおかげか、「話しやすい」と言っていただけることがよくあります。
うれしい言葉ですよね。


ーーほかに、依頼者から言われてうれしかった言葉はありますか？

「たくさん質問しちゃってすみません。でも、すぐに一緒に考えてくれて安心した」。
こんな言葉をかけてくださることも多いです。

依頼者さまのなかには、急に心配になってメールなどでご連絡くださる方がいらっしゃいます。
私はどんなご質問にも、できる限り素早く返信するようにしているんです。
きっと少し待たされるだけでも、不安な気持ちがどんどん膨らんでしまうはずだからです。

私がよく扱うのは、不貞の慰謝料をはじめとする離婚・男女問題や交通事故、刑事事件の少年事件などです。
こうした事件では、ご依頼者様だけでなく、ご家族、ご両親様も心配されていることがありますから、できるかぎりしっかりお話しをさせていただくようにしています。

とくに、不貞など男女トラブルに関する慰謝料請求については、事務所全体で1,000件を超える相談実績があります。

慰謝料を請求する場合は、毅然とした態度で交渉に臨むべきケースもあります。


ーーそうやって何度も慰謝料を手にしてきたと。

慰謝料を獲得、また増額するのはもちろん、逆に請求された場合に大きく減額したこともあります。個々の状況に応じて、どう相手と対峙するべきか。硬軟織り交ぜながら、交渉するようにしています。

離婚・男女問題も「女性弁護士にお願いしたい」というご相談が多いんです。不貞のお話など、他人にあまり知られたくないプライベートな話題に踏み込むケースが少なくないからです。ぜひ安心して、思いの丈を私にぶつけていただきたいですね。

ーーほかにはどのような相談を受けられますか？

例えば、刑事事件の示談交渉をお願いしていただいたり、少年事件を担当させていただきますね。

たとえば、女性で万引きを繰り返してしまう方からご依頼をいただくこともありますし、性犯罪の加害者の代理人として、被害者と示談交渉に臨むことがあります。これは、被害者の女性も女性同士だと話しやすいということがあるからです。
心に深い傷を負った被害者に対し、力ずくで示談を迫るのは逆効果になりかねません。
依頼者の方の事情を伝えつつ、被害者のつらい気持ちに寄り添い、共感しながら許しを得ていくんです。
こうして、過去の事件では、示談に応じていただき、不起訴になることも多くありました。

また、少年事件で、お子様が犯した犯罪の弁護活動をご両親様からご依頼いただくこともあります。

大切なお子様の将来がかかっていますから、単にその場限りの弁護活動をするのではなく、その子がどうしたら今後更生して、二度と犯罪を犯さないか、ご両親様を悲しませることをしないか、ということを考えながら、対応しています。

性犯罪は刑法改正によって同意のない性行為が処罰対象となり、盗撮などの「撮影罪」が新設されるなど大幅に規定が見直されました。また、刑事事件では少年事件も積極的に扱っています。困ったことがあれば、迷わず私を頼っていただきたいですね。

ーー終始、明るく振る舞う姿が印象的です。依頼者はきっと元気づけられるのではないでしょうか。

依頼者さまは、深刻な悩みを抱えていらっしゃいます。
ご相談の際は当然、真剣な表情でいつもお話に聞き入っていますよ。
ただ、ふたりして俯いているばかりでは、気が沈んでしまいますからね。
少しでも希望を感じていただけるように、ときには明るく振る舞うことも大切にしています。

そもそも、「人を喜ばせたい」という思いが、昔から人一倍強い面もあるんでしょう。
大学時代に手品部に所属していたのも、まさにそうです。


ーー手品部とは、あまり聞いたことがありません。

鳩を引き連れてキャンパスを闊歩する先輩に目を奪われ、思い切って入部したんです。
部室では10羽くらい鳩を飼っていたんですよ。

私が担当していたのは、輪っかを使った「リンキングリング」という演目です。
どんな風に見せたら観衆のみなさんに喜んでもらえるか、いつも楽しみながら試行錯誤していました。

そんな手品のように、依頼者さまに喜んでいただけるような解決をこれからもとことん追求していきたいですね。