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ほうじょう まさひと
北條 将人弁護士
北條総合法律事務所
熊本県熊本市中央区京町1-5-5 ほりかわビル201
対応体制
  • 法テラス利用可
  • 分割払い利用可
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  • 電話相談可
  • メール相談可
  • WEB面談可
注意補足

現状、ご依頼多数に伴い、事件や相談の内容の種類を問わず、新規の相談および依頼の受付を終了させていただきます。電話相談にもご対応できませんので、予めご了承ください。利用者の方には、何卒ご理解を賜りますようお願いいたします。

インタビュー | 北條 将人弁護士 北條総合法律事務所

キャリア20年超、司法過疎地の所長を務めた熊本の町弁。「やってみる」精神で切り拓いた半生

どんなことも、臆せず挑み続ける。
そんな力強い姿勢で、20年を超えるキャリアを切り拓いてきた北條総合法律事務所の北條 将人(ほうじょう まさひと)弁護士。
司法過疎地に設置される公設事務所の元所長で、再生回数が1ヶ月で250万回に達した動画「戦国法律相談アニメ」の脚本を担当したアイデアマンでもあります。
深い縁で結ばれた熊本への思い、依頼者に最後まで寄り添う覚悟をお聞きしました。

01 弁護士としてのキャリア

司法過疎地に設置される公設事務所。天草市に設置された事務所の所長を含め約10年勤務

ーー現在は熊本で活動されていますが、ご経歴を見ると都市と地方を行き来されていますね。

キャリアをスタートさせたのは東京でしたが、ほどなくしてまず熊本県天草市に赴任しました。
日本弁護士連合会(日弁連)が司法過疎解消のために設立する公設事務所の所長に就任したためです。

その任期を終えてから一度東京に戻りましたが、今度は横浜市内に設置された公設事務所の初代メンバーに加わりました。
「都市型」と銘打った公設事務所で、そこで日々の法律相談に加え、過疎地へ送り込む若手弁護士の育成に携わっていたんです。

熊本に戻ってきたのは、その後のことです。
しばらく熊本市内の法律事務所に在籍し、2022年に独立して現在の事務所を立ち上げました。


ーー司法過疎地に強いこだわりがあるように感じました。なぜでしょうか?

弁護士は東京や大阪などの大都市に集中しており、その裏側では弁護士不在の地域で声を挙げられずにいる方々がたくさんいらっしゃいます。
なんとかその助けになりたかったんです。

実際に天草に赴任してからは、激務の日々でした。
借金問題、離婚・男女トラブル、相続、交通事故など、ご相談が立て続けに舞い込んできたんです。
しかも、所内の弁護士は私ひとりだけ。
毎日、膨大な数の事件に追われていました。

横浜での勤務を含め、公設事務所で働いていた期間は約10年。
微力ながら、少しでもお役に立てたならうれしいですね。


ーーそれから熊本に戻ってきたのは、やはり当時のことを含め思い入れがあったからですか?

私にとって熊本は、かつて住民のみなさんと苦楽をともにした思い出深い場所です。

今でも鮮明に覚えているのは、熊本に戻ってきた翌年(2016年)に起きた熊本地震です。
幸い私や家族は大事には至りませんでしたが、住んでいたマンションは半壊。
しばらく余震の恐怖と隣り合わせの日々を過ごしました。

一方で、弁護士としては地震にまつわる法律相談に奔走することに。
あのときも相当な激務でしたが、できる限り被害者を救済しようという一心でしたね。

02 取扱分野と強み

キャリア20年、相談件数2,000件超。認知症の女性を救った成年後見

ーー独立後の現在は、どんな事件をメインに扱っているんですか?

分野は限定せず、個人・法人とも幅広く扱っています。
債務整理や離婚、相続、交通事故、不動産、それに成年後見をはじめとする高齢者の財産管理も多いですね。

20年を超えるキャリアを通じて、これまでお受けしたご相談は少なくとも2,000件以上に達します。
どんな事件も、一通り柔軟に対応できること。
それこそが、司法過疎地で活動してきたこともある私の最大の強みでしょう。


ーー具体的にどんな相談を解決してきたのか。過去の事例をいくつか教えてください。

では、まずは交通事故からひとつご紹介させていただきます。

依頼者さまは、事故によって重度の障害が残ってしまった70歳前後の方です。
保険会社から提示された賠償額に納得できず、交渉でおよそ4,000万円へと倍増させられた事案でした。

ご高齢だったうえに重い障害を負ってしまったので、事故後は施設に入所せざるを得ない状況でした。
その入居費用も確保でき、しばらく安心して過ごせる状態にすることができたんです。


ーー老後の生活に道筋をつけられたわけですね。

ある老夫婦の相続を任せていただいたときもそうでした。

認知症の奥さまを旦那さまが介護されていたんですが、旦那さまが先に亡くなったんです。
お二人の間にはお子さんがいらっしゃらなかったので、奥さまがひとり取り残されるかたちになってしまったんです。

私は奥さまの成年後見人となり、旦那さまの遺産について分割協議を行うことになりました。
ただ、これがかなり難航したんです。


ーーどうしてですか?

そもそも、どこにどんな財産があるのか、相続人はどなたで何人いるのか。
認知症の奥さまにお聞きしてもわからないので、最初はさっぱり見当がつかなかったんです。

そうなると、自力で掘り出すしか方法はありません。
旦那さまのパソコンを開いて大量のメールをチェックしたり、ひたすら戸籍をたどったり。
まず、その調査に相当な時間を要しました。

ようやく相続人を探り当てることができたんですが、兄弟姉妹や甥っ子に姪っ子と、全部で8人ほどいらっしゃり、しかも住んでいる場所が全国各地に散らばっていたんです。


ーーなるほど、そうなると話し合いをまとめるのが大変そうですね。

こまめに連絡を取りながら、なんとかうまくまとめるしかないですよね。
どなたにどれだけの財産をお渡しするか。
誰もが納得し、文句が出ないようにする。
そんな着地点を見出すために、調整に明け暮れる日々でした。

それでも、最終的にはうまく話をまとめられたんです。
奥さまにはご自宅と預貯金の相当額を確保でき、介護施設への入所の手配も無事済ませることができました。

03 事件解決のスタンス

子どものいない夫婦の複雑な遺産相続。話し合いで円満解決へ

ーー高齢化が進み、認知症患者も増えています。高齢者の財産管理は大事な課題ですね。

先ほどのご夫婦のように、認知症を患っていたり、お子さんがいなかったりするような場合は遺言がないと大変です。

兄弟姉妹やその先の縁戚が相続するにしても、今の高齢世代は大家族であるケースが少なくありません。
兄弟姉妹が10人もいらっしゃるようなケースがよくあるんですよ。
さらにいえば、親御さんが再婚していて腹違いの兄弟姉妹が存在する。
そんなパターンも決して珍しくありません。


ーー理解を示してくれるような人ばかりであればいいですが…

たとえば相続人が10人もいれば、なかにはどうしても気難しい方がいたりして、そう簡単に協議はまとまりません。
調停や裁判で判断してもらう手もありますが、話し合いで解決したい場合は地道に説得するしかないですよね。

相手の立場を考えながら、うまく譲歩を引き出し、丸く収める。
私は比較的穏やかな性格ですし、そうやって調整しながら落とし所を探ることには得意意識があるんです。

それもあって、依頼者さまにもよく「話しやすい」と言っていただけます。
弁護士は「敷居が高い」「威圧感がある」といったイメージが先行しがちですが、気さくな振る舞いも私のアピールポイントとしてぜひお伝えしたいですね。

04 弁護士としての信念

1ヶ月で250万回再生、「戦国法律相談アニメ」の脚本を担当

ーー話は変わりますが、脚本を担当されたという動画「戦国法律相談アニメ」を拝見しました。とてもユニークでおもしろかったです。

織田信長のパワハラに悩む明智光秀、武田信玄との仲直りを模索する上杉謙信。
そんな風に、戦国時代の武将たちが身近なトラブルを弁護士に相談する動画ですね。
私は日弁連の委員として、脚本を担当しました。

弁護士や法律相談のイメージを打ち破るようなものをつくれないか。
そう思って構想したんですが、これが話題になって公開1ヶ月の再生回数が250万回ほどを数えたんですよ。


ーーすばらしいアイデア、そして大きな反響でしたね。

前例にとらわれず、どんなことにも果敢にチャレンジする。
やりたいことを、とことん突き詰める。
仕事でもプライベートでも、私はそんな価値観や姿勢をずっと大切にしてきました。
その持ち味を活かしながら、これからも熊本のみなさんを力強く支えていきたいですね。