かわせ ひろゆき
川瀬 裕之弁護士
弁護士法人れいわ総合法律事務所
会津若松駅
福島県会津若松市大町1-9-27 佐藤ビル2階
インタビュー | 川瀬 裕之弁護士 弁護士法人れいわ総合法律事務所
国際機関で働く目標を昇華させ、コンサルタントから転身。地方密着でありながら日本と世界を結ぶ弁護士へ
コンサルティング会社のシニア・コンサルタントとして企業の経営課題を改善する立場から弁護士への転身を果たした、れいわ総合法律事務所の川瀬 裕之弁護士。
「弱い立場にいる人をひとりでも多くサポートしたい」と法律を駆使して、社会の歪みの是正に奮闘しています。
国際志向が強く、海外関連案件にも積極的に対応する川瀬弁護士。
学生時代には国連勤務を目指していたという当時から一転、法曹会へ方向転換するプロセスにどんな心境の変化があったのでしょうか。
「弱い立場にいる人をひとりでも多くサポートしたい」と法律を駆使して、社会の歪みの是正に奮闘しています。
国際志向が強く、海外関連案件にも積極的に対応する川瀬弁護士。
学生時代には国連勤務を目指していたという当時から一転、法曹会へ方向転換するプロセスにどんな心境の変化があったのでしょうか。
01 弁護士を志した理由
コンサルタントとしての専門性を高めるために受けた法科大学院の入試が転機に
ーー弁護士になる前は、コンサルテイング会社に勤務していたそうですね。
会計事務所系のコンサルティング会社でシニア・コンサルタントとして、企業の業績評価制度の構築等に従事していました。
おもにシステム導入など大きなプロジェクトを円滑に進めるための調整役として携わっていましたね。
そして3年目くらいから「コンサルタントとしてより専門性を磨きたい」と思いはじめました。
ちょうどその頃にロースクール制度がスタートし、入試要項の記事を雑誌で目にしたことから試験を受けてみたんです。
ーーコンサルティング業務では法律を扱う機会も多かったのですか。
直接ではないですが、クレーム処理などのときに少し法律に関わることはありました。
だからこそコンサルタントしての強みを考えたとき、「法律を使いこなせればクラアントに対し、より幅広く、独自性のある提案や深いサポートができる」と思ったのです。
ーーもともと弁護士に興味はあったのですか。
実は子どもの頃にぼんやりと弁護士になりたいという思いは抱いていました。
ただ高校生の時には、国際機関で働きたいという思いが募り、大学もICUに進学したんです。
在学中、国際機関での勤務経験もある教授に相談したところ、「社会勉強を積み、ビジネススキルを身につけてからのほうがいい」と助言を受け、コンサルティング会社に就職したのです。
ーー入試を受けたのは「弁護士になる」というよりコンサルタントとしてのキャリアアップが主軸だったのですか?
ロースクールへの入試を受けたときは、それくらいの気持ちでしたね。
ですから、入試に向けてなにか周到に準備をしていたわけではありません。
それでも、面接や論文が中心だったこともあり、幸い合格できました。
そこで会社を辞め、ロースクールに専念し、司法試験に合格するためにすべてを注ぐことにしたのです。
ーー退路を断って一転、法曹界へ舵を切ったのですね。
周囲はコンサルタントの仕事を続けると思っていたかもしれません。
でも、そのころ私は20代後半でしたし、最短での司法試験合格を目指していたので、自分にプレッシャーを与える意味でも退路を断ちました。
中途半端な形は私の選択肢にはありませんでしたね。
02 キャリアと注力分野
会津若松を拠点に一般民事全般から海外案件までグローバル視点で紛争解決をカバー
ーー弁護士になってからは、どんな経歴をたどったのですか。
長野県で1年間修習をしたあと、債務整理を中心に扱っている都内の法律事務所で3年ほど勤務弁護士をしていました。
債務整理についてはかなりの数をこなしましたし、中小企業の顧問、中国・アジア進出のサポートなども行いました。
その3年間で弁護士としての基礎を一から学ばせていただきましたね。
またその事務所はパラリーガルとの連携体制が整っており、事務所運営という側面でも多くを吸収させていただきました。
ーー事務所を卒業後、拠点を福島県会津若松市に移し、独立されました。
妻の所縁の地であり、私自身アウトドアや温泉好きということもあって、会津若松市を拠点に選びました。
当時、会津地域には今よりも法律事務所が少なく、リーガルサービスに十分アプローチできていない人が多いように感じていました。
微力ながらも私がその穴を少しでも埋められればという想いで、事務所を構えました。
ーー事務所では主にどんな分野を扱っているのですか。
相続や離婚、債務整理、交通事故などの一般民事と、地元を中心とした中小企業の企業法務を軸に、幅広く対応しています。
他との違いでいえば、主に中国等の東アジアやタイ等の東南アジア在住者や海外進出企業を検討されている方からの依頼やご相談も積極的に受けています。
03 弁護士としてのスタンス
コンサルタント視点をプラスしたオーダーメイドの弁護活動
ーー先生の弁護士としてのスタンスを教えてください。
常に意識しているのは、依頼者さまごとのニーズに沿ったオーダーメイド型の事件処理をすることです。
そのためには、じっくりと依頼者さまのお話を聞く必要があります。
きちんとお話を伺い、どんな解決を望んでいるのかを突き詰めます。
そのうえで、どのように法律を当てはめれば最善の解決へ導けるのかを一緒に考えていきます。
ーーそれはコンサルタントの仕事に通じる点もあるのでしょうか。
その通りかもしれません。
コンサルティングでは企業の経営課題を抽出し、業務プロセスや戦略を見直すアドバイスをします。
その際コンサルティングでは、改善策として組織変革やシステム導入などを提案します。
一方、弁護活動においては、依頼者さまのお悩みやお困りごとの根元にあるものをご相談内容から抽出し、その解決のために法律をあてはめていきます。
企業は改善によって生産性が高まったり、業績が向上したりしますが、依頼者さまは弁護士による法律での問題解決で、ともすれば人生を好転させることができます。
その意味では、弁護士はとても責任が重いと同時に、やりがいのある仕事だと思います。
04 解決事例
弱い立場の人を一人でも多く手助けしたい
ーー印象に残っている解決事例を教えてください。
結婚して日本に来た外国人女性から依頼された相続や離婚の問題は印象に残っています。
外国から知り合いもいない日本に来て、しかも都会では無いので知り合いも多く無い。そういう生活の中で、配偶者が亡くなったり、配偶者と離婚することになったりして、法律問題を始めとして様々な問題を抱えていました。
たまたま知り合いからの紹介で当事務所に相談に来られ、最終的には法律に基づいて決着しました。
ただ、私には腑に落ちない思いもありました。
依頼者さまは運良く、知り合いからの紹介で弁護士に依頼できましたが、もしそういう人がいなければどうなっていたのだろうか…。
日本語も日本の法律もわからず、前途が全くみえない、弱い立場にいる人が理不尽な思いをするのは許せません。
このような方のため、弁護士としてできる限りのことをしたいと改めて強く思わされた事案として記憶に残っています。
05 依頼者への思い、信念
弁護士として日本と世界の橋渡しをしたい
ーー弁護士としての将来像をおしえてください。
国際機関で働きたいとの希望からコンサルタントになり、さらにそこから専門性を磨くために弁護士になりましたが、いまは生涯弁護士であり続けたいと思っています。
実際に弁護士になり、微力ながらも困っている人のお力になり、手助けができる。
これほどやりがいのある仕事は弁護士をおいて他にないでしょう。
困っている人の対象を外国人、そして海外にも広げれば、国際貢献にもつながります。
会津エリアに限らず、企業の海外進出サポートや日本に在住する外国人の弁護を積極的に受けている法律事務所は日本全体でもまだそれほど多くありません。
グローバルな視野で弁護活動を続けていくことで、日本と世界の橋渡しができれば、これほどの喜びはありません。
ーー事務所としての展望はいかがでしょう。
会津に来て10年が経ちました。
すばらしい環境と人がいるこの街にとても愛着があります。
この会津に根を張り、質の高いリーガルサービスを提供し続けることで少しでも地域に貢献できればと思っています。
そのために、少数精鋭ではありますが、3人のパラリーガルの質をさらに高め、総合力で地域の安心を支えられる存在でいられるよう、一層の体制充実も図りたいですね。