密室での窃盗の疑いをかけられた
娘の話なのですが、デリヘルで働いていてホテルに入りお客がお風呂を沸かしに行ったタイミングで財布が開きっぱなしだったので閉めようとしたが壊れていて閉まらなかったそうです。
お客が戻り財布を確認した所五万円消えていると言われ警察へ一緒に行き、5時間ほど事情聴取や手荷物検査もされましたがお金は出てきませんでした。
勿論娘は盗んでいませんが、相手は被害届を出すそうです。
密室だから娘が怪しまれるのは仕方がありませんが、財布に指紋が出た場合は不利になるのでしょうか。
お客は八万円おろした明細を出して、料金を払っても五万円足りないと言っているそうです。(料金は諸々四万円程度と思われます。)
元々八万円の他にいくら財布に入っていたかもわかりません。
その場で盗んだという現金が出てきていなくても娘が盗んだ事にされてしまうのか不安です。
ご質問に回答いたします。
ご記載のとおり、財布を触っていたことはマイナスですが、
実際にお金を取っておらず、当然、取ったところ自体は見られていないのですから、
荷物検査の結果お金が出てこなかったことを合わせて考えると、
盗んだことにされてしまうことはないかと思われます。
(ホテルから警察までの間にお金を隠したりする機会はなかった前提で回答しています。)
ご質問に対する回答は以上ですが、可能であれば、ご依頼になるかは別にして、お近くの弁護士に直接相談されて、今後の対応についてアドバイスを求めることをおすすめいたします。
ご記載いただいていない事情もあるでしょうから(例えば、客がお風呂を沸かしに行っていた時間や娘さんが警察での話でお財布を触ったこと自体は認めたかどうか等)、
詳しい事情をお伝えいただいて相談された方が、不安も少なくなると思いますよ。
ご参考にしていただけますと幸いです。
元警察官の弁護士です。
「密室」「二人きり」「初対面」という事情を合わせて考えると、財布から娘さんの指紋が出た場合は不利に作用すると思います。というのは、通常、他人の財布を触る理由がないからです。
「お客がお風呂を沸かしに行ったタイミングで財布が開きっぱなしだったので閉めようとしたが壊れていて閉まらなかった」ということですが、そのような行動をわざわざとる必要性があるのだろうか?という疑いもかけられてしまいがちな事情なので、やはり不利に作用すると思います。
「お客は八万円おろした明細を出して、料金を払っても五万円足りないと言っている」ということで、その「お金を降ろした時刻」が事件の直前であり、その後にどこにも立ち寄ったりしていないのであれば、盗んだ可能性は疑われてしまう所です。
もっとも、そもそもATMからお金を全額抜きとり忘れてしまう方もおり、この場合には明細に一時的には8万円をおろしたという記載がされる可能性があります(ATMにのまれるので、結局口座は抜き取り忘れた分は引かれませんが)。
なお、結局、お金が所持品検査しても出てこなかったという事情は有利に作用します。
疑いは持たれても、直ちに、犯人として確定できるほどの事情があるかというと、これらの事情のみでは判断が困難なので、警察の方では、被害受理された場合には必要な捜査がされます。
例えば、本当に8万円が財布にあったのか、客が財布からお金だけ落としてしまう可能性がなかったかなどです。