葬儀契約不履行での損害賠償請求は可能か?

2年前に70代後半の男性より葬儀の死後葬儀委託委任契約をしたいという申し出があり双方合意の上契約を結んだ。
現在都内の葬儀の金額は120万前後であるが本人が1500万円で自分の葬儀を盛大にしてほしいという申し出があり、見積書を提示した上で契約書に合意をしました。
こちらとしても金額が大きかったためいたずらかと思い何度も確認したが本人のかなり強い希望のため契約書を作成、契約締結をいたしました。
こちらとしても金額が大きいので再三このまま進めてよいのかと意思の確認をしたところ、相手方よりそこまで言うなら契約に事前に金額をすべて預ける文言を入れ込んでもよいとの申し出があり契約書に盛り込みました。
すると相手方より振込をするので振込先を教えてほしいとの連絡があり振込先を教え、振り込むというタイミングで振り込みが確認できなかったため連絡をすると『振込先の用紙をなくした』という申し出があり再度送付をしました。すると今度は音信不通になり数か月後に連絡があり入院していたので振り込めなかったと連絡が来ました。
その後も振り込むという申し出が相手方よりありその都度入院していたと連絡が取れなくなることが何度もあり2年が経過しておりました。
その間に葬儀で使う返礼品のサンプルが欲しい、料理の試食がしたいなどと言ってきましたがこちらも契約をしているのでサンプルの提供を受諾いたしました。
その後も支払いの素振りは見せるが、支払われることはありませんでした。
何度か返礼品のサンプルを依頼されましたがこちらも契約している以上顧客として無下に扱うことも出来ずサンプルの提供をしてしましました。
すると先日、本人より老人ホームの紹介をしてほしいという相談があ、斡旋業者を紹介するために業者の方とお会いしたところ業者の方がその70代の男性は高額の契約をチラつかせて何度も案内させた挙句に最終的に連絡が取れなくなり、何か月後かに入院していて動けなくなったと全く同じ手口で業者を弄ぶという老人ホームや老人ホーム斡旋界隈ではかなり有名な方とのお話でした。
老人ホーム界隈ではブラックリストに載っておりどこにも斡旋、入居をさせてもらえない人物とのことでした。
こちらとしてもなぜ契約の話を持ち出してきたのか?なぜ契約を履行する気もないのにサンプル提供や弊社を呼び出すのか理解に苦しんでおります。 弊社としても会社が都内にありその方のいる郊外まで行くのに高速代や拘束されいる労働時間、行くたびにファミレスの支払いを置いてほしいと言われなかなか経費が掛かっております。
上記のお話を本人にしたところ代理人弁護士より一方的に契約解除の申し出がありました。
このような場合経費の請求(契約不履行による損害賠償)、解約金(契約書には解約違約金の文言はありません)、2年間も嘘をつき続けられた精神的苦痛などを請求する要素になりますでしょうか?

契約締結段階における損害賠償請求
契約締結に至る交渉段階において、一方の当事者が、契約が成立するであろうとの信頼を相手方に与え、相手方がその信頼に基づいて費用を支出するなど準備行為に入ったにもかかわらず、正当な理由なく契約締結を拒否するような場合があります。このような行為は、取引上の信義誠実の原則に違反し、不法行為を構成する可能性があります。その場合、契約の成立を信頼したことによって被った損害(信頼利益)の賠償を請求できるとされています。

本件では、契約自体は締結されています。しかし、相手方は当初から契約代金を支払う意思がなかったにもかかわらず、支払うかのように装って契約を締結した疑いがあります。このような行為は、契約締結交渉における信義則に違反するものであり、不法行為(詐欺)に該当する可能性があります。その場合、契約が有効に履行されると信頼して支出した費用(打ち合わせのための交通費、人件費、立て替えた飲食代など)について、損害賠償を請求できると考えられます。

契約不履行(債務不履行)に基づく損害賠償請求
契約書に「事前に金額をすべて預ける」という定めがあるにもかかわらず、相手方が支払いに応じないことは、明確な債務不履行にあたります。また、相手方の代理人弁護士からの一方的な契約解除の申し出も、貴社に契約違反などの帰責事由がない限り、相手方による債務不履行(履行拒絶)となり、以下のような損害の賠償を請求できる可能性があります。
契約の履行を信じて支出した費用(返礼品のサンプル提供費用など)
契約が履行されていれば得られたはずの利益(逸失利益)

解約金について
契約書に解約金や違約金に関する条項がないとのことですので、契約内容として定められた特定の金額を「解約金」として請求することは困難です。ただし、前述のとおり、相手方の一方的な契約解除は債務不履行にあたるため、それによって生じた損害を「損害賠償」という形で請求することになります。

精神的苦痛(慰謝料)について
貴社が法人である場合、原則として「精神的苦痛」に対する慰謝料請求は認められません。

今後の対策として、契約締結に至らない場合や一方的に解除された場合の損害賠償額の予定(違約金)を契約書に明記しておくことが望ましいでしょう。