業務委託契約の不当解除後、報酬請求の可否についての相談

先月まで業務委託契約を結び、コンサルティング業務を実施していました。
経緯は省略しますが、根拠のない内容を理由に解除通知が送られてきました。
こちらは契約期間中の業務を行う姿勢を示していましたが、一方的に業務ができない状況下に置かれ終了しました。

この場合、業務委託費は請求できますか。

解除通知に関して、以下時系列です。
※通知内容に関しては返信をしなくても認めたことにはならない、放置して問題ないと以前確認いただいています。
①テキストで連絡される(月の下旬)
→違反としてきた条項について何を指しているか分からず説明を求める
②検討しますと返信あり
③月末最終日に、解除通知書が一方的に送られてきた(なぜか日付は①の日付)

まず、ご相談者さんの締結していた業務委託契約が準委任契約であることを前提に以下回答します。(この種の契約では、契約の性質につき、準委任契約なのか請負契約なのかが争われることがあります)。

 相手方の解除通知の法的根拠が債務不履行を理由とする場合、そもそも債務不履行解除が認められるのが問題となります。そして、そもそも債務不履行解除が認められないのに、債権者側(今回の業務委託契約の相手方)があなたが受託していたコンサルティング業務の履行を拒んだのであれば、「債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったとき」に該当するものとして、債権者は、反対給付の履行を拒むことができない(今回の業務委託契約の相手方に対して業務委託費を請求できる)可能性があります(民法536条2項本文)。

【参考】民法
(債務者の危険負担等)
第五百三十六条 当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができる。
2 債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができない。この場合において、債務者は、自己の債務を免れたことによって利益を得たときは、これを債権者に償還しなければならない。

 次に、民法651条1項によれば、委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができるとされています。そして、同条2項によれは、1項に基づき委任の解除をした者は、「相手方に不利な時期に委任を解除したとき」(1号)は、やむを得ない事由がなき限り、相手方に生じた損害を賠償しなければならないものとされています。
 あなたのケースでも、あなた側に「不利な時期」と言えるか、やむを得ない事由の有無が争点となります。
 そして、民法651条の損害については、将来得べかりし利益まで含むと言われていますので、残りの契約期間の業務委託費を請求できる可能性があります。
 ただし、実際の訴訟では、実際に他の仕事に就けなかった期間や他の仕事を見つけるのにかかった期間等の事情を具体的に認定し、請求できる損害を限定的に認定しているものもあるため、留意しておかれるべきでしょう。