報酬差押えに関する優先順位についてご相談
報酬差し押さえを検討していますが、債務者に会社への借金が沢山あることがわかり、毎月報酬額から天引きされているそうです。(一社のみの請負)
報酬差押えを行う場合、
会社に対する“貸付金の返済(社内借金)”より、私の差押え(債権者)の権利が優先されるのか、
もしくは
会社側が先に天引きしてから残額にのみ差押えが可能なのか、
その優先順位についてご教示いただけますでしょうか。
給料は、もともと労働基準法24条1項で賃金全額払いの原則というものがあり、相殺の予約が禁止されています。
労働者と雇い主が真に自由意思に基づいて、相殺を合意するなら有効ですが(最高裁平成2年11月26日判決)、それだけ厳しく見られることになります。
この点、本件とほぼ同じような形で、会社の相殺と債権者の強制執行のどちらが優先するのか争われた裁判例があります。上記最高裁判決の前の判決であり、かつ古い判例ですが、東京地裁平成2年7月17日判決(金融・商事判例872号11頁)判決は、労働基準法24条1項の趣旨から相殺予約は許されないとして、債権執行の方が許されるとしました。
結論としては、果たして当該相殺が、労働者の自由意思に基づく天引きなのかで、どちらが優先するか決まりそうに思われます。
差押えを弁護士に依頼される場合は、そのあたりの見通しも含めて相談されてみてはいかがかと思います。