元妻の再婚後の養育費請求に応じる必要があるか?
10年前に離婚した元妻の代理人弁護士から通知が届きました。
元妻とは協議離婚で子供の養育費、面会について離婚協議書を交わしました。
元妻が再婚した際、相手から養子縁組を行い名実ともに父となり子供を養育する、と宣言され面会は以降終了を告げられ、私からは養育費の支払いを止める宣言をしました。
元妻の代理人からの通知によると、その支払い止めより現在に至るまでの養育費請求権を有しているため、その期間の請求をされています。
ただ、通知には双方の事情変化もあったことから、請求金額を半額にし、その額を払った際には今後の養育費請求を放棄する旨が記載されています。
代理人からは1週間後までに回答を求められていますが、この請求には応じる必要はありますか?
タイトルかAI生成でしたので、少し訂正します。
元妻は再婚しましたが、通知によると昨年離婚しているとのこと。
子どもは17歳です
2つの観点から、養育費の請求を拒める可能性があります。
1 元妻の再婚相手とお子さんとの養子縁組による養育費の支払義務の消失の可能性
【参考】東京高裁平成30年3月19日決定
「夫婦間の関係及び親の未成熟子に対する関係では,扶養することがその身分関係の本質的要素となすことから,その間には,相手方に自己と同程度の生活を維持する義務(生活保持義務)があるとされている。
ところで,実母の再婚相手と未成熟子が養子縁組をした場合には,養父となった者は,当該未成熟子の扶養を含めて,その養育を全て引受けたものであるから,実母と養父が,第一次的には,未成熟子に対する生活保持義務を負うこととなり,実父の未成熟子に対する養育費の支払義務はいったん消失するというべきであり,実父は,未成熟子と養父の養子縁組が解消されたり養父が死亡したりするなど養父が客観的に扶養能力を失った場合等に限り,未成熟子を扶養するため養育費を負担すべきものと考えるのが相当である。」
「養育費変更の始期については,変更事由発生時,請求時,審判時とする考え方がありえるところ,いずれの考え方にも一長一短があり,一律に定められるものではなく,裁判所が,当事者間に生じた諸事情,調整すべき利害,公平を総合考慮して,事案に応じて,その合理的な裁量によって定めることができると解するのが相当である。」
→ この裁判例の事案では、養子縁組した時点に遡って養育費の支払義務が消失したと判断されています。
2 養育費の消滅時効の可能性
①養育費もらう権利本体(基本権)と②権利本体から発生する毎月の養育費(支分権)は、法律上は別物として異なる消滅時効が適用されます。
①養育費もらう権利本体(基本権)
→ 10年の消滅時効(民法168条1項1号)
②権利本体から発生する毎月の養育費(支分権)
→ 5年の消滅時効(民法166条1項1号)
あなたのご事案では、ご事情によっては、以上のような2つの観点から、元妻側からの養育費の請求を拒める可能性があるかと思われます。
なお、少額でも支払ってしまうと時効援用権の放棄•喪失と扱われ、消滅時効の主張ができなくなってしまう可能性があるため、ご留意ください。
なお、ご自身での対応が難しいようであれば、弁護士に直接相談•依頼して対応することもご検討ください。