習い事教室に対する慰謝料請求の可否と金額について

習い事先で娘が先生からわいせつ行為を受けました。
警察に行き先生とは示談しました。
習い事教室に対して使用者責任で慰謝料請求したいのですが請求できるのか?またてきるのであればいくらぐらい請求できるか教えて下さい。

・未成年に対して先生の立場を利用し断れない状況で複数回頬にキスや股間を身体に押し付けられたりしました。
・アルバイトに鍵の管理を任せ、そこに寝泊まりし人のいない時間に集合時間より早く来るように呼び出され施設内で行われました。
・授業中もアルバイトだけで社員の監視などもなく習い事教室の管理体制に問題がある。
・先生とのトラブルにより(近隣への移籍の妨害行為あり)、当教室をやめ他県の遠方の教室に移籍する事になった。

従業員(先生)がその事業の執行について第三者に損害を加えた場合、使用者(習い事教室)もその損害を賠償する責任を負います。私立学校の教師による体罰や、施設の職員による暴行のケースで、学校法人や施設に使用者責任が認められ、損害賠償請求が可能とされています。
請求できる損害としては、精神的苦痛に対する慰謝料のほか、もし精神的なショックにより通院された場合にはその治療費なども含まれます。

事案が悪質であったり被害が深刻であったりする場合には、高額な慰謝料が認定される傾向にあります。高額化する要因としては、以下のような点が挙げられます。
不同意わいせつ(強制わいせつ)に該当する行為
先生と生徒といった教育上の支配従属関係を濫用した行為
会社の事後対応が悪く、被害者が退職(今回の場合は移籍)に追い込まれたような事案
市立小学校の担任教諭が9歳の児童に強制わいせつ行為をした事案では、児童に対する慰謝料として200万円が認定されました。

すでに行為者である先生と示談が成立し、示談金を受け取っている場合、その金額が損害賠償額から差し引かれることになります。過去の裁判例で、わいせつ行為の被害児童に対する慰謝料として200万円が認定されたものの、児童側が加害者から示談金300万円をすでに受領していたため、使用者(市)に対する請求は棄却された(認められなかった)ケースがあります。 したがって、先生との示談内容によっては、教室に対する請求が減額されたり、認められなかったりする可能性があります。

裁判等で損害賠償を請求する際には、証拠が重要となります。わいせつ行為に関する録音や日記などの記録、もし通院した場合はその領収証や診断書などを保管しておくことが有用です。また、被害児童の権利を守るため、早期に弁護士などの専門家に相談することも有効と考えられます。