飲食店で服にコーヒーがかかったことによる弁償の程度について
【弁済の程度、妥当性について】
1.飲食店でコーヒーを浴びたことにより服をクリーニングに出しましたが、完全に落ちることにはなりませんでした。この場合、新品購入価格を請求することはできないのでしょうか?新品ではないため、中古相場に対する費用補填という説をよく聞きます。
2.クリーニング代の他、慰謝料を請求することはできますでしょうか?またその妥当性はいかがでしょうか?
請求の理由は当日汚れた服で過ごすことを余儀なくされ、また当日の先方とのやりとりによるストレスや、クリーニングの手配等の労力です。
【経緯】
ファミレスのドリンクバーでコーヒーを淹れていたところ、サーバーのカバーがコーヒーカップに落下しその弾みで私にコーヒーがかかりました。私はボタンを押したのみでそれ以外に触れておりません。私がコーヒーを淹れる直前、店舗スタッフが豆の補充をしておりました。
ベージュのパンツの腿から膝下にかけてにコーヒーを浴びることとなり、乾くまでに2~3時間、その後も大きなシミが残り、明らかに見て取れる状態でした。
時間帯は12時頃、こちらは仕事中でその後も対人による仕事が続く状況でした。
店側は追ってクリーニング代を負担する旨を申し出てくれましたが、こちらとしてはその状態で仕事をするにはふさわしくないこともあり、当日、同一品の購入をし仕事に戻りたく同一品購入の費用負担を打診しました。
ファストクロッシングではありませんが全国によくある洋品店のもので、1万円強の品です。
電話にて3度ほどやりとりをしましたが、店側、本社の回答としては、以下の通りでした。
1.後日のクリーニング費用負担
2.当日の対応であれば、緊急貸与用にユニクロ、しまむら等で代替品を購入しそれを追って返却
当方としては、この事故がなければそれ以前と同様に過ごせていた状態に戻りたいと考えていました。
それ故に、前述1ではそれは叶わず、前述2は当方の馴染みのない洋品店で代替品を購入することは受け入れがたい対応でその旨を伝えました。
それに対する店側、本社の回答として、
「起きてしまったことは変えられない、ユニクロ、しまむらが受け入れられないのは考え方の違い」といったものでした。当然考え方は違うでしょうがその考え方の違いにより自身の選択をもって服を購入しており、少なくとも自身に起因する事故でない中、緊急用とはいえ、当方にとっては先方の指定する洋品店で購入する理由はないと考えております。
法律上の不法行為による損害賠償請求は、「損害の公平な負担」の理念で規定され、いわゆる損害の完全回復までは認めていないところです。
それは、加害者にとっても想定外の損害まで負担させることは公平ではないとされ、要は、「加害者も被害者も公平な形で(生じてしまった)損害を負担しあいましょう」という理念に基づいていて、被害者に過失がある場合に加害者の損害の負担を一部(又は全部)否定させる過失相殺がわかりやすい例です。
本件にあてはめますと、ご相談者のように非常時でもファッションに妥協できない被害者であるというのは、いわゆる法が想定する一般人(平均人)とは異なり、想定外の特殊事情となります。
また、シャツもご相談者が着ている以上新品ではない(中古品)のに、また当日のクリーニング持ち込みで取れそうなコーヒー(墨汁となると少し変わるかもしれませんが)の汚れが取れなかったからという理由で、新品に買い直させるというのは明らかに加害者に負担が大きすぎて公平ではないという判断になる可能性が高いところです。
なので、そのファミレス本社の対応は企業対応としても適切であったと思われます。
むしろクリーニング代以外にも、UNIQLOであれ一時的な衣類購入を認めた対応は、会社として十分な対応しているように思われます。