労災事故後の示談交渉について

去年暮れに亡くなった家族の労災事故について。最終的にこちらの弁護士が相手の建設会社に請求した額の半額を先方は提示してきたがその全ては保険金で賄われるとの事だった。
(刑事の判断では悪質性が高く10:0で会社側に落ち度があるが民事の判断は分からないとの事。)その内容に納得行かず示談交渉中。
労基に話を聞いてもらう機会があり、「災害調査復命書」を開示請求しては?と言われた。こちら弁護士にそのことを伝えると今時点で開示される事を知らなかったと言う。双方の過失について客観的に記されている復命書の存在を初めからわかっていれば、示談や民事の進め方も変わってきたと思うのですがどうでしょうか。
また、復命書の存在を知らなかった時点で弁護士の話を鵜呑みにして、相手には請求額の半額より200万増で最終ボールを投げてしまっており、その直後に私の「復命書の開示まで示談を待ってほしい」という意志を先方に伝えたところ、先日の金額で示談をしたいとの返事があり、
私の弁護士からは、
今更踵を返す事は代理人として大変やり難い"その最終示談金額での示談を勧められています。私としては示談を進めるのに災害調査復命書は重要な情報であり、その存在を示さなかったのは弁護士の落ち度ではないかと思っています。今の段階で前言を撤回し、示談を復命書の開示まで待っていただく事は出来ないのでしょうか。弁護士の言うように本当に難しい事なのでしょうか。
過失相殺50:50で示談に応じて手堅くと言う弁護士の意見も分かりますが、同じく建設会社で働く方の話を伺うととても50:50とは思えず、仮に受け取る金額が大幅に減るとしても民事を辞さない覚悟でいって良いと思っています。その為に復命書の開示を待ちたいと思っています。

>今の段階で前言を撤回し、示談を復命書の開示まで待っていただく事は出来ないのでしょうか。
示談するかどうかは当事者が判断することであり,弁護士が判断することではありません。待ってもらうことは可能です。

事故状況の詳細が分かりませんが,過失5割というと労働者側にかなりの過失がある事故態様ということになります。
示談については,訴訟になった場合の見通しや費用などについても考慮した上で判断するべきですね。

私の弁護士からは、今更踵を返す事は代理人として大変やり難い"その最終示談金額での示談を勧められています。
・・・これだけで断言はできませんが 代理人として拙速の感が否めません。納得できないのであれば代理人を解任して 新たな代理人を選任することも視野に入れるべきでしょう。

近時このように代理人が十分依頼者の意向をくまずに話を進め 依頼者に不満が残り セカンドオピニオンとして意見を求められる相談・依頼が増えています。

先生方大変参考になるご意見ありがとうございます。
度々になり申し訳ありませんがもう一点お伺いさせて下さい。当方の弁護士の話では、刑事処罰が下るまでに示談をまとめる方がこちら側に有利に示談を進められる、とのことなのですが、果たしてそうなのでしょうか。先に述べた通り、刑事の方では禁固刑などではないにしても会社側の過失をかなり重く捉え、その内容で送致する旨を警察より伺っています。こちらの弁護士の言った刑事処罰までに示談を云々〜に妥当性があるのかお聞きしたいです。質問が2度に分かれてしまい申し訳ありません。

確かに一般論でいえば、示談が成立すれば会社にとって有利な事情になりますので、会社としては刑事処分の前に示談を成立させたいと考えるでしょう。その意味では、処分前に示談交渉を有利に進めることができるという理屈も一理あります。
また、例えば、会社の過失が認定されず、不起訴になる可能性があるような事案であれば、早めに示談をした方がメリットが大きいケースもあります。
しかし一方で、刑事処分がされた場合には、少なからず会社の過失が認定されたことになりますので、むしろ処分後の方が示談を有利に進めることができる可能性があります。

長々と述べましたが、結論としては、処分前の方が示談を有利に進められるとは、一概には言えません。会社の過失がどの程度なのか、その見通しによって進め方が変わってきます。
上記のような説明を弁護士から一切受けていないのであれば、違う弁護士に委任することを検討した方がよろしいかもしれません。

先生方のご意見を参考に当方弁護士にこちらの意向を伝えようと思います。
ありがとうございました。

当方の弁護士の話では、刑事処罰が下るまでに示談をまとめる方がこちら側に有利に示談を進められる、とのことなのですが、果たしてそうなのでしょうか。

・・・それは不起訴になるかどうか微妙な事案では 不起訴になる前に示談をした方が有利ということが言えるかもしれません。
それであれば なぜあなたが納得できないような金額が「有利」といえるのかその見通しを説明してもらうべきでしょう。
 本件で「会社側の過失をかなり重く捉え、その内容で送致する旨を警察より伺って」おられ起訴の可能性が高いという判断であれば 納得という意味では刑事記録などを見て判断されることも可能かもしれませんし 金額的にも今急いで示談をしなくても相手と交渉のチャンスはまだあると思います。

様々なご意見大変参考になりました。こちらの弁護士には災害調査復命書の開示を待ってもらう旨伝えました。依頼者の意向なので先方には伝えるが、土壇場でちゃぶ台返しは相手がこちらの言うことを信用できなくなる恐れがある、弁護士同士の信頼に関わるのでその辺もご理解頂きたいとの事でした。
今後の事は第三者の意見も拝聴し慎重に検討したいと思います。ありがとうございました。