AIベンチャー企業における不当解雇問題と解決策についての相談

上場を控えたAIベンチャー企業です。
私は企業側人事部の立場です。

1年前に、弊社のレベルでは優遇された条件で雇ったスタッフがいます。
無期限雇用正社員で、
年棒2200万円程の給料です。
プログラム開発の部長です。

そのスタッフが、
社長との折り合いが悪いので、
予告手当を出して、能力不足という理由で、
解雇にさせてもらいまいた。

その後、3か月たってから
弁護士を通じて、不当解雇を申し立てて来ました。
「退職同意の条件として、
給与5年分を出すなら退職に同意する。
そうでないならば裁判にする。」
と。

有料の相談で
何人かの弁護士に相談すると、
「社会的客観的な解雇要件を全く満たしていないのに、
手順を踏まずに解雇したほうも悪い。
これは相手方の言い分も正しい。
今から裁判になれば、もう既に数ヶ月経過しているし、ここから裁判を起こされても、判決まで1年半以上は掛かるでしょう。
しかも、能力不足理由では、まず勝てない。
そうなればバックペイにプラスして合5000万円程度は最低でも
解決金を支払わされる。そんな判例は沢山ある。」
とのことですが・・・。

能力不足での解雇は難しいのでしょうか?ならば、能力不足の解雇のほか、追加で、経歴詐称を解雇に付け加えても良いでしょうか?
この社員は前職を正社員で働いていたのに、業務委託で働いていたと、経歴を隠して入社しております。

質問です。


能力不足の解雇にあたって
会社側から出す必要な証拠は何ですか?
専門職は解雇しやすいとネットでは書いてあるように思いますが。


経歴詐称の解雇は
難しいのですか?
前職の有名アプリ開発会社に3年いましたが、
その前の会社2社も通算されて、
履歴書には8年勤務とありました。


「いくら解雇しやすい高度人材の中途採用でも、
能力不足理由では、まず勝てない。」
この意味はどういうことでしょうか?
能力不足は解雇のハードルは高いのでしょうか?高度人材の中途社員は解雇しやすいのでしようか?

①専門職は解雇しやすいとネットに書いてあるという説が出回っているみたいですが、この説は弊害が非常に大きいですね。雇用契約で職種限定であれば配置転換を考慮しなくてよいとか、特定の能力を前提にした契約で当該能力がなかった場合などであれば解雇理由になり得ますが、一般的に専門職なら解雇しやすいというのは誤情報と言わざるを得ません。証拠としては人事評価書類が使えると思いますが、それがあれば解雇が有効と言うことにはなりません。内容次第です。

②有名アプリ開発会社に8年在籍なら採用したが3年では採用しなかったと言えるような事情はあるのでしょうか?経歴詐称が採用可否の判断に影響したなら解雇理由に一部にはなり得ると思います。ただ最近は、裁判所が経歴詐称に対して厳しくなっている傾向が指摘されていますので、役に立たない情報ではないと思います。

③能力不足は解雇のハードルは高いというのは確かです。高度人材の中途社員は解雇しやすいというのは誤解を招く情報で、このような説が広がるのは弊害が非常に大きいと言わざるを得ません。シンプルな一般論に頼らずに、きちんと判例を参考に個別事例に即した具体的な判断をした方が良いと思います。

詳しい事情を具体的にお聞きしない状態では何とも言えませんが、経歴詐称の事実は一定の有効性を考慮して使うべきところで使うとして、いったん復職させてからの判断をした方が良いかもしれません。既に労働者が弁護士を付けたのであれば、復職をさせると地位確認請求という法的請求権が一気になくなりますので、その上でどう処遇するかを考えるのが良い場合もあります。重要なのは、労働者側に強い法的請求権が生じない範囲で対処することです。