自己破産した場合、患者と病院からの損害賠償は免責されるのでしょうか。

例えば看護師がカルテが入っているiPadを持ち出し禁止にも関わらず、患者の在宅訪問(仕事)の為に持ち出し、その際誰かに盗まれてしまった。看護師がパスワードをかけていなかった為カルテが悪用され、複数の患者が還付金詐欺に遭い、金銭的被害が生じた。看護師は詐欺に繋がることを予見していながら、過失を咎められることを恐れ、病院に報告せず、放置していた。看護師は故意や悪意からした訳ではなかった。個人情報漏洩と詐欺被害との間に相当因果関係認められた。看護師は患者と病院から多額の損害賠償を請求された。

この場合、看護師は自己破産をしたとしても患者や病院からの損害賠償は免責されないのでしょうか。

お悩みのことと存じます。お困りのことと存じます。本件は、法律相談になりえます。ご安心くださいね。本件は、法的に正確に分析すべき事案です。素人判断は大いに危険です。どうしてもどうしても納得いかなければ、この手の問題に精通した弁護士等に、証拠等を直接示すなどして、詳細で分析していただくのが良いと思われます。

藤川先生、お忙しい中早速のご回答ありがとうございます。
この場合、看護師が自己破産をしたら、患者や病院からの損害賠償は免責されるのでしょうか。(個人情報漏洩と詐欺との間に相当因果関係が認められれば、自己破産をしても免責されないのではないかと心配しています。)

おそらく、非免責債権である「悪意による不法行為に基づく損害賠償請求権」「他者の声明や身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権」への該当性を心配されているのかと察しますが、本件はいずれにも該当しません。
加えていうなら、
・看護師は詐欺に繋がることを予見していながら、過失を咎められることを恐れ、病院に報告せず、放置していた。
→ipadを盗まれたことを報告しなかった際に、そのことで詐欺につながるとは、通常予見される事態とはただちに言い難いように思います。
・個人情報漏洩と詐欺被害との間に相当因果関係認められた。
→相当因果関係についても然りで、流出した個人情報を利用して詐欺被害が敢行されたという的確な証拠がない限り、相当因果関係がたやすく認められるとは考えにくいです。

井上先生
お忙しい中ご返信下さり、ありがとうございます。
また、親身になってご対応下さり、心から感謝申し上げます。
いくつか、先生にお伺いしたいことがございます。

1点目:もし万が一、個人情報の漏洩と詐欺被害との間に相当因果関係が認められた場合、患者様や病院からの損害賠償請求は、自己破産をしても免責されないのでしょうか。

2点目:仮に患者様から訴えられて自己破産をした後、数年後に会社から訴えられた場合はどうなるのでしょうか。自己破産から7年経過しないと再度の自己破産ができないと思うのですが、この場合支払い義務を免れることはできないのでしょうか。

3点目:また、秘密漏示罪など罪に問われた場合、自己破産の手続きや免責に影響が出るのでしょうか。

お忙しいところ、たびたび細かい質問をしてしまい申し訳ありません。
もし万が一こうした事態になってしまったら、家族を巻き込んでしまうのではないか、生きていけなくなるのではないかと、不安で胸がいっぱいです。
それでも、少しでも希望が見えれば、前を向いて頑張れるような気がしています。

お手数をおかけして恐縮ですが、先生のお力をお借りできましたら幸いです。
何卒、宜しくお願い申し上げます。