債権放棄合意書、追記の法的効力

私が親族に貸してた100万を債権放棄合意書で互いにサインと捺印し免除しようと思っています。
今回の債務者である親族が3年前に親に金を100万円渡してくれて助けてくれており、そのお礼で債権放棄しますと
一文をいれました。
もし将来、今回の債務者である親族が親に裁判をおこし返金を求めてきた場合この債権放棄合意書は
裁判で返金したという事実になるのでしょうか。

私見を述べさせていただきます。

相談者さんのか書かれている事実を俯瞰すると、合意書の追記から「(親が)返金した」事実までは認められないように思えます。

つまり、相談者さんは、当該親族に対する100万円の債権を放棄するとの合意文書を作成するとのことですが、その追記として「ある親族が親に100万円を渡して助けてくれたお礼」との記載があるからといって、当該親族の意志として「その100万円が贈与である」と表示したとか、「100万円は貸付だが本書面で親に対する弁済請求権を放棄する」との意思までは認めることができないからです。
もっとも、金額が100万円どおしと釣り合っているし、親と相談者さんと親族という関係者の間の取り決めや事実であること、債権放棄を相手との合意書と言う形で作成していること、その他の、周辺事情から、今後、親族が親に対して100万円の弁済を請求しない合意が読み取れる事情も認められる可能性があると思います。

ともかく、本件について、明確に親族が弁済を求めないことを合意してもらうか、それが藪蛇になってしまう可能性から困難であれば、相手が裁判をおこしてきたときに、親とともに、債権放棄合意書にかかわる事実を粛々と主張して返還を拒むことになるでしょう。

以上、ご参考まで。

白井弁護士、返答ありがとうございます。
債権放棄合意書に「100万円は貸付だが本書面で親に対する弁済請求権を放棄する」という記載に変更すれば返済したという結果に近付けるのでしょうか。

返済したというよりは、相談者さんの親は返さなくても良いことになります。債務の免除は、単独の意思表示ですので(民法519条)、そのような記載があり、当該親族が署名押印をしていれば有効に成立します。
なお、「100万円は」では債権の特定に足りませんので、「誰がいつ誰に」も入れたほうが良いと思います。
例:「本書面にて、A(親族)は、B(親)に対する令和〇年○月●日付の貸付金の弁済を免除する。」
以上、ご参考まで。

これで安心して合意書を作成できます。
白井弁護士、本当に詳しく教えて頂きありがとうございました。