業務委託契約の解約と損害賠償請求についての相談

夜遅い時間、申し訳ございません。

私は学院で業務委託契約の形で講師として勤務していましたが、個人都合により、9月30日に、10月のシフト表が出る前に退職の意思を通知しました。 9月15日に、参考用の仮シフト(10月分)を提出しましたが、10月の正式な授業スケジュールは 未だ通知されていません。

この時点で、正式な勤務日や授業内容の指示は受けていませんが、学院は、10月1日に一方的に勤務予定が決まっており、スケジュール変更や学生への連絡などで損害が発生したと主張していますが、私には 正式な勤務指示や確定スケジュールは通知されておりません。

学院側は「契約書に明示されているように、当社業務委託契約は解約通知後2ヶ月となっている」-「委託者の契約不履行、それに伴う被害発生-」そして、「契約上必ず作成しなければならない解約書もまだ提出されていない」との主張、違約金を請求すると主張しています。

しかし、自分の契約書を何回か見直しても退職する際は解約書を書くとの内容はありません。また、「契約期間は、本契約締結日から1年間とする。ただし、同期間満了前2カ月前までに、甲又は乙のいずれかが相手方に対し、期間を延長しないことを通知しない限り、自動的に同一条件にて1年間延長されるものとし、以後も同様とする。」という内容はありますが、この項目が「委託者の契約不履行、それに伴う被害発生-」に該当するのでしょうか。

また、「訴訟提起前最終通告書を送付する」と返信をもらいました。

仕事内容と勤務日程が確定する前に退職を通知しましたが、この場合、損害賠償が成立するのでしょうか。

なんらかのご答弁を頂けると幸いです。

私見を述べさせていただきます。

>仕事内容と勤務日程が確定する前に退職を通知しましたが、この場合、損害賠償が成立するのでしょうか。

どのような契約であっても、当該契約に基づき損害賠償請求が成立する余地はあります。ただし、その主張立証責任は、請求する側にあります。
相談者さんとして、こちらに非が無く、違約金を支払う余地が無いと考えるのであれば、相手が裁判をしてきたときに粛々と対応すべきことになります。
その上で、一般論としてお答えしますが、
相談者さんと学院の契約が「業務委託契約」であれば、民法上、委任契約(準委任契約)に分類されることが一般的です。
委任契約であれば、期間の定めの有無にかかわらずいつでも解約できるとされていますが(民法651条)、やむを得ない事由が無い限り、相手が不利な時期に委任契約を解除すると損害賠償請求をされる恐れがあります(同条2項)。
相手方としては、①相手方の不利な時期に相談者さんが契約を解除したこと、②それによる損害の発生(金額)の主張立証に成功すると、相談者さんが、③解除についてやむを得ない事由があったことの主張立証に成功しない限り、損害賠償請求が認められることになります。
相手方のいうように、2か月前に言わなければいけないとか、違約金(契約上?)を支払わなければならないということはないでしょう。
※ただし、違約金条項が損害賠償額の定めとして合理的金額であり、損害賠償請求権が認められる場合は、違約金の定めを有効とする考え方もあります。

その上で、「相手の不利な時期」に相談者さんが契約を解除したかについて本件を見ると、10月1日から講義が開始するにもかかわらず、9月30日に契約を解除したものであり、その結果、代替の講師の用意が困難もしくは、余分な費用がかかることになり、また、代替講師の用意が困難な場合に受講者から損害賠償請求を受けるとか、受講者が減少するなどの客観的状況が認められる場合には、学院側の損害賠償請求が認められる可能性があるように思われます。
もっとも、「仕事内容と勤務日程が確定する前」ということであれば、そのような可能性も低いのではないかと思われます。

以上、ご参考まで。