マンション更新料の増額請求に対する正当性と対策は?
今年からマンションのオーナー・管理会社が変わりました。
以前の契約書には「更新料:58,800円」と明記されているのですが、
新しい管理会社から「更新料は76,000円」だと請求されました。
一方的に更新料を引き上げられた形です。
こちらとしては契約書に従い、これまで通り58,800円を支払うつもりですが、
請求された金額とは異なるため、「未払い扱い」や「更新を拒否される」ことを懸念しています。
なお、管理会社が指定してきた支払期限はすでに10日ほど過ぎています。
【ご相談したいこと】
1. 契約書に「更新料58,800円」と定められている場合、オーナー・管理会社が変わっても
こちらは58,800円を支払えば契約上の義務を果たしたことになるのか?
2. 請求額との差額を払わないことで「未払い扱い」「更新拒否」「退去請求」をされる可能性はあるのか?
3. 契約上の根拠なく更新料を増額された場合、借主に拒否する権利はどの程度あるのか?
4. 実際の対応としては、旧額だけ支払い異議を申し立てるのと、
一旦全額支払って後から返還請求するのとでは、どちらが安全か?
内容が分かりやすくなるように回答の順番を変更させていただいております。
3について
家賃の増額については、土地建物価格上昇等、経済事情や近傍家賃の上昇等により、現家賃が不相当となった場合、特約等がない限り、増額請求することはできます(借地借家法32条1項)。
ただ、増額された金額は、経済事情の変動等、諸般の事情から妥当な金額である必要があります。このため、請求された額が妥当でないと判断されるなら争うことは可能と思います(成否は別として)。
1、2について
家賃の増額の協議が整わないときは、増額を正当とする裁判が確定するまでの間は、相当と認める額を支払えば足りるとされています(借地借家法32条2項)。
特約等の存在がなければ、一般的に、相当額を支払っておけば退去請求等をされる可能性は低いと思われます。
4について
ただし、後に家賃の増額が正当と判断された場合、正当額と支払額との差額については、請求された日から年1割の割合による利息を支払う必要が生じます(借地借家法32条2項但書)。支払って争うかは増額の妥当性や利息を支払うリスク等を考慮し検討されるのがよいかと思います。