有給消化拒否と解雇の違法性についての相談
今日辞めると言った後に有給を消化したいと伝えたら有休消化を拒否されました。その後仕事に行きなさいと言われ、仕事をしましたが、仕事が手につかず、有給を2時間使って帰りました。その後会社に行ったら、解雇と言われました。それらは違法解雇にあたりますか?
辞めると言った後(退職届は出していません)に持ち場に戻りなさいと言われた場合、職場は退職を認めていないということになりませんか?
また、月途中で解雇された場合の給料は支払われないということでしょうか?
即日解雇の際の解雇予告手当は賃金とは別で支払われますか?
有休休暇の使用は労働者の権利ですので、それを理由に解雇することに正当性はなく、違法になると思われます。
ただ、既に退職の意思表示をしてしまった後なので、解雇の無効を主張したとしてもまとまった解決金は期待できないでしょう。解雇無効とともに未払いの賃金を請求するためには、就労意思が失われていないことが必要なためです。
そのため、解雇の無効を主張することは、あなたの事案では得策ではないと思われます。
他方、解雇を逆手に取る方法もあります。
使用者には、労働者を解雇するとき、以下の義務があります。
・30日以上の予告期間を置くか、平均賃金の30日分の解雇予告手当を支払う(労働基準法20条)
・労働者が請求した場合はその理由を文書で証明する(22条)
これを利用し、使用者に即時解雇である旨を文書で示すよう要求したうえで、文書が発行された後、解雇予告手当を請求する方法が考えられます(特に未消化の有給休暇が30日未満の場合に有効です)。いずれも、使用者が請求に応じない場合は労働基準監督署への申告が可能です。
また、普通解雇による退職の場合、雇用保険の受給のうえで自己都合退職と比べて有利になることがありますので、ハローワークで失業給付を請求する際にも、解雇通知書が役に立つことがあるでしょう。
お悩みのことと存じます。お困りのことと存じます。詳しい事情がわからないので、一般論として回答できるところだけ、ご対応いたしますね。
1 解雇でない可能性はあります。解雇理由書、解雇通知書等、解雇を客観的に基礎づける書面を得て下さいね。
2 年休は、労働者が時季指定権を行使した場合において、使用者から適法な時季変更権行使がなければ、成立するものです。時季変更権行使の適法性は、「事業の正常な運営を妨げる」か否か、です。「事業の正常な運営を妨げる」か否かは、企業規模、配置、担当作業の内容、作業の繁閑、代行者配置の難易、他の年休希望者等から総合的に判断されます。忙しいだけでは認めらない可能性が高いです。
3 年休取得を理由とする解雇は無効になりえます。
法的責任をきちんと追及されたい場合には、労働法にかなり詳しく、上記に関係した法理等にも通じた弁護士等に相談し、法的に正確に分析してもらい、今後の対応を検討するべきです。良い解決になりますよう祈念しております。