少年事件における取り調べでの発言の影響について

少年事件についてです。
取り調べのときに心当たりのあることでも覚えていないと言うことはやめておいたほうが良いですか?

ご回答いたします。
どの範囲でどのように回答するかは客観的な証拠によりけりです。
少年事件の場合には環境調整に重きが置かれると言われますので、心当たりのある行為を認めることによって結果が大きく左右されるのであれば別ですが、客観的証拠があるのであれば誠実に回答とべきであると思います。
懸念されるのは、客観的に否定し難い犯罪であるのに、不合理な弁解をしているものと不利に評価されてしまうことです。

虚偽の事実を供述するより、黙秘権を行使することをお勧めします。
黙秘権の行使は法律上の権利であり、その行使によって不利に扱われることはありません。

他方で、虚偽の事実を供述した場合、その虚偽が露見する形で相談者さんの供述全体の信用性が損なわれる可能性があります。
また、少年事件手続では、少年の可塑性が重要な考慮要素となりますが、虚偽の供述は可塑性を大なり小なり損なう形で評価されることが見込まれます。

可塑性とは、未成熟な少年は変化や成長の余地が大きく、教育や環境調整によって更生の可能性がある、という意味と考えられています。