リース物件を無断処分し法人破産、法的影響は?

法人での契約でリース会社からの物件を勝手に処分をしてしまいました。

リース会社から卓上複合機とUTMをそれぞれの事業所に設置していました。

そしてその後事業所を一つに大幅に大きさを縮小するにあたり設置場所がなく、
今となっては謝ってリース会社にも代理店にも報告せずに廃品業者に無償で引き取り処分をしてもらいました。

当時頭が錯乱していて医者からも双極性障害の診断を受けています。

事業もうまくなり返済が困難で法人は破産する方向です。

【質問1】
リースの物件について高額なUTMは返却可能ですが、比較的価値が低いとされる卓上機器について返却不能という場合、リース会社からしたらどのように対応してきますか?(契約違反は当然ですが、刑事の可能性)

【質問2】
今から思えば本当に軽率でした。当時は本当にショッピングローンのように所有権は自分にあると勘違いして処分してしまいました。これについてはどのように評価されますか?

【質問3】
精神科にも追い詰められて精神的にも異常状態であり、精神障害についてそのことを医師も診断書を出している場合、状況は勘案されるものでしょうか?

【質問4】
卓上複合機は廃棄証明書というものがもらえるとありました。そのことは全く知らず廃棄証明書ももらっておらず、どこの業者に引き取りしてもらったかも覚えてません。一連の流れでどのように評価されますか?

質問1は、返却不能については残リース代の請求や損害賠償請求が考えられます。刑事は論理的には横領罪や器物損壊罪が成立する可能性があります。誤って廃棄したのであれば、器物損壊罪が成立するかどうかですが、故意ではありませんので、リース会社として刑事告発までするかは微妙かと思います。
質問2は、刑事事件としては、錯誤として上記の故意の問題になるかと思います。民事事件は「過失」になりますので影響は少ないです。
質問3は破産の場合の免責不許可事由の判断、特に裁量免責の一つの事情として斟酌されるかと思います。
質問4は本当に廃棄したのかが疑われる可能性はあります。
ご参考にしてください。

質問1について、リース契約が終了すれば、リース会社は物件の返還を求めてきます。
物件を処分してしまった場合、リース会社に対して損害賠償責任を負いますが、リース会社が刑事責任を求める可能性は低いのではないかと思います。

質問2について、相談者様の勘違いに過ぎないため、責任が軽くなる可能性はないと思います。

質問3について、どのような経緯でリース物件を処分してしまったのか、精神障害の影響でやむを得なかったということを具体的に説明できれば、リース会社で考えてくれることがあるかもしれませんが、実際には難しいと思います。

質問4について、廃棄証明書があったとしても処分したことに変わりはありませんので責任が軽くなるものではないと思います。

リース料は処分後も支払い続けているのでしょうか。
もし支払っているのであれば早めにリース料の支払いは止めたほうがいいですが、破産の方向ということですので、他の債権者との対応も考えて支払を止めるタイミングを決める必要があると思います。

佐々木弁護士、肥田弁護士ご回答誠にありがとうございます!

またご質問なのですが、

1,損害賠償請求は破産の免責の範囲には入りませんね?

2,免責の範囲ではないとすれば、卓上機器(価値的にはUTMなどと比べてはるかに低く中古でも数万円で購入できる場合、損害賠償請求は100万円とか
になったりはしないという認識でよろしいでしょうか?

3,また損害賠償請求は払う場合、破産の裁判が終わってからになりますでしょうか?また裁判に出廷しないといけないでしょうか?

お忙しい中、お手数おかけしますがどうぞよろしくお願いします。

1について、「破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権」として非免責債権に該当するか問題となりますが、
上記の悪意とは単なる故意ではなく、積極的な害意まで必要とされています。
実害ありといえる場合は、非免責債権として請求される可能性があると思われます。

2について、リース会社の損害は物件の価値相当額ですので、物件が数万円の価値であれば賠償額は数万円だと思われます。
なお、遅延損害金等が付加されるかもしれませんが、それほどの金額ではないと思います。

3について、リース会社が請求してくる場合、破産手続の後だと思います。
非免責債権に該当するかが争点ですので、訴訟手続きによるものと思われます。

佐々木弁護士、追加の質問のご回答誠にありがとうございます!

3についてまた追加質問で恐縮ですが教えてください。

3-1,
非免責債権になるかどうか訴訟手続きになるとありますが、
リース会社から民事での損害賠償請求になり、
私は裁判に出廷して争わなければなりませんか?
その場合、破産の受任をして頂けました弁護士の先生に
破産依頼の弁護士費用内で弁護していただけるもでしょうか?

3-2
また破産とは別で新たに弁護士費用が発生し支払う必要がありますか?
(およその損害賠償請求(数十万円)の請求を争う場合どれくらいの料金でしょうか?)

弁護士費用と損害賠償請求の額を比較して弁護士費用を払って勝訴してたとしても
費用面では裁判をしてもしなくても同じという場合、裁判に出廷せず
損害を認めて支払うということもできますか?

お忙しい中、お手数おかけします。どうぞよろしくお願いします。

3-1について、訴訟を提起された場合、相談者様が訴状の記載内容を全て認めて受け入れるのであれば出廷しなくてもいいです。
非免責債権であることを争うのであれば、答弁書等を作成提出して反論しなければなりません。
上記訴訟は破産手続とは別ですので、破産を受任した弁護士が受ける場合でも、弁護士費用は別途必要になると思います。

3-2について、上記のとおり、破産とは別で弁護士費用が必要になると思います。
費用の額については、弁護士によって異なりますが、破産手続を受任した弁護士が受けるのであれば、低めの金額で受けてくれるかもしれません。

弁護士を依頼するかどうかは、弁護士費用と賠償額を比較して決められたらいいと思います。
なお、リース会社が非免責債権であると主張するのであれば、破産手続の中(免責に対する意見等)で主張すると思いますので、訴訟されるかどうかは破産手続中に分かると思います。

佐々木弁護士、追加での質問誠にありがとうございます!
大変よく分かりました!助かります。