面接での情報誤認が個人情報保護法に抵触する可能性は?

市役所(転職)の採用面接にて、「県庁で働いているようですが、県庁ではあなたのやりたいことはできないのですか?」と質問を受けました。

私の勤務先の名称には都道府県名が含まれているものの、県庁とは全く別の組織であり、私は応募書類内で「県庁」という言葉も「県」という言葉も使っていません。神奈川〇〇、熊本〇〇のように、単純に名称に県名が入っているだけです。

面接官の早とちりの可能性もありますが、訂正しても面接官がポカーンとしていたことから、他者の書類との取り違いの可能性も想定されます。

"個人情報の問題には触れず"、面接官の質問の経緯等について事実確認をするべきではないかと要望を出しましたが、市は調査をしませんでした。

①本件が仮に他者の情報に基づいていれば、個人情報のインシデントにあたりますか?
※「県庁勤務」という情報は履歴書の他の情報と照らし合わせれば個人の特定が可能であるため、提供元基準に基けば、個人情報に該当すると考えます。

②地方公務員法では「採用試験は〜正確に判定することを目的とする」とありますが、個人情報の誤用があれば、この法律の趣旨に背くことになりますか。

③こちらの指摘に対し、市役所が調査をしなかったことは、法律上の不作為に該当しますか。録音が禁止されていたため、市が調査をしないと客観的な情報が得られない状況でした。

「個人情報」とは、生きている個人に関する情報で、氏名、生年月日、住所、顔写真などにより特定の個人を識別できるものです。他の情報と容易に照合でき、それにより、特定の個人を識別できるものを含みます。個人情報を扱う際の基本的なルールは、「使う目的をきちんと説明する」、「勝手に目的外に使わない」、「しっかり保管する」、「要配慮個人情報、第3者へ渡すときは同意をとる」などです。本件が、これらに該当するかどうか、証拠に基づいて、子細な分析と慎重な対応が必要です。どうしても不安であれば、この手の問題に精通した弁護士等に、直接相談されるのが良いと思われます。良い解決になりますよう祈念しております。