土地譲渡の不備と墓地の扱いについての法的助言を求む

今後の相続のため実家の土地を確認したところ、母親名義の土地(他界した祖父の家、農業用倉庫、畑、墓地がある)を二年ほど前にいとこに譲ったという。
口約束でお金だけ振り込んで貰って、今はいとこがそこで農業を営んでる(家は放置されてる)
確認したところ名義変更はされていない。
また調べたところ「墓地は土地の売買で譲渡できない」と知った。
今の現状の問題点と今後どう進めれば良いか?ご教示いただきたい。

墓地については、行政に許可の有無を確認して譲渡の可否を確認することが望ましいと考えられます。
墓地の問題のほか、譲渡契約書の締結や移転登記をどうするか、そもそも譲渡で問題ないのかなどを含めて、先ずは、先方と交渉することが望ましいと考えられ、必要に応じて、弁護士にご相談されることをお勧め致します。

現状、お母様名義の土地がいとこへ譲渡されたのか不確定であること、未登記であることが問題点かと思います。そのため、今後の進行としては、まず、法的な墓地にあたるかの確認、契約関係についてお母様といとこへの事情確認、その後、土地所有者の確定と併せて登記手続きが考えられるかと思います。
 墓地、埋葬等に関する法律では、2条5項に、「この法律で「墓地」とは、墳墓を設けるために、墓地として都道府県知事(市又は特別区にあつては、市長又は区長。以下同じ。)の許可を受けた区域をいう。」と定めています。また、同法10条1項では、「墓地、納骨堂又は火葬場を経営しようとする者は、都道府県知事の許可を受けなければならない。」と定めています。
 そのため、墓地の新設や譲渡には都道府県知事の許可が必要であり、相談者様が記載いただいている通り、「墓地は土地の売買で譲渡できない」とされています。
 もっとも、これは死体や焼骨を埋蔵する施設として、法的に認可を要する墓地の話であって、事実上墓地として扱われている土地には適用されず、譲渡なども自由に出来ます。
 そのため、まずはお母様名義の土地を管轄している都道府県の県庁などに、墓地として登録されているものか確認されるのがよろしいかと思います。
 また、お母様名義の土地が二年ほど前にいとこに譲渡された事情について、お母様やいとこに確認する必要があるかと思います。仮に本当に譲渡されているのであれば、登記変更に契約書や印鑑登録証明書が必要となりますし、畑や墓地の譲渡について農業委員会や都道府県知事の許可を取っているのか、確認する必要があると考えます。
 そのため、相談内容以外の事情も大事になってきますので、一度直接弁護士に相談に行かれるのがよろしいかと思います。