離婚を考えていますが、夫との会社の借入金返済に不安があります

離婚を考えています。理由は①お金に対するルーズさ(これまで経理業務を私と分担して入力、それを会計事務所がとりまとめていたが、前期の決算を一期分ほったらかし現在二期分も終わろうとしている。税務署や借入先から決算書の提出を何度もせかされたが無視。ついに会計事務所からもこの状態では協力できないといわれ業務からおりられた。私が何度手伝うといっても自分で行うといってきかず、使途不明金を知られたくない、売り上げの一部を夫が自由に使っているからだと推測(証拠あり)。自由にお金を使うため生活費が残らず、二人が働いた役員報酬は毎月15~20万しか入らず。何度言っても聞かず、このままでは支払いができなくなる日が近い。夫の親の代の未払い消費税の支払いが滞っていたため、税務署から取引先に、当社への支払いをストップするよう連絡が入ったこともあり、その後慌てて工面して支払いをした②パート従業員へのパワハラ(要領が悪く仕事の遅い人に威圧的な態度をとり舌打ち、きつい口調で怒鳴るのでスタッフが一向に続かない)とセクハラ(過去3件申し出あり従業員が退職、そのたびに私が謝罪、本人は反省せず繰り返す。現在も気に入ったパート従業員とウソをついて飲みに行き、会社の物品提供、ときに送迎、出勤簿の改ざんで給与を多く支給)です。
 株式会社を10年ほど前に設立し、新規事業を立ち上げ、借入を行うにあたって、夫は債務整理をしており、当時は女性でかつ若い年齢だと利率が低かったので私が仕方なく代表取締役となり夫が取締役となりました。
借入金が会社契約になっているので、返済が滞ったときに私個人に支払い義務が生じるのを恐れ一刻も早く離婚したいです。離婚しても返済義務が生じるのであれば避けたいです。そもそも借入金が必要だったのは、夫の親の事業での借金(夫は二代目)の返済を夫が引き継ぐ形となったためでもあるので、本当に嫌なのです。
希望としては離婚したい、会社の借入金の返済は今後避けたい、慰謝料や養育費がもらえるならそうしたいですがお金のない人に対してそれは難しいのでしょうか?こんな人なのでいつつぶれてもおかしくありません。
まず何からはじめたらよいのかも全く分からず、日々悩んでおりますので、ぜひアドバイスをお願いしたいです。

ネクスパート法律事務所の弁護士の北條です。

会社の借入金の返済義務について、株式会社の借金は原則として会社自身が返済するものであり代表取締役個人が当然に返済義務を負うわけではありません。
しかし、中小企業が金融機関から融資を受ける際に代表者が個人として連帯保証人になることを求められるのが一般的です。
質問者様が借入時に個人として連帯保証契約に署名・捺印している場合、残念ながら会社が返済できなくなれば、連帯保証人である質問者様に返済義務が生じます。
この「連帯保証人の義務」は、離婚をしても、代表取締役を辞任しても、基本的には消えません。

今後の対応として、まず以下のことから始めることをお勧めします。
1. 借入契約書の確認
何よりも先に、金融機関との「金銭消費貸借契約書」を確認し、ご自身が会社の連帯保証人になっているかどうかを正確に把握してください。
2. 証拠の確保
ご主人の問題行動(使途不明金、セクハラなど)に関する証拠を集めておくことが大切です。
・会社の通帳や会計資料から、ご主人が個人的に流用したことがわかる記録。
・過去のセクハラ被害者とのやり取りや、ご自身が謝罪した際の記録。
これらの証拠は、後述する慰謝料請求の際に役立ちます。
3. 離婚と会社からの離脱
離婚に向けて、ご主人と話し合いを進めることになります。同時に、会社の代表取締役を辞任し、役員からも退任する手続きが必要です。連帯保証人から外れるには金融機関の同意が必要で、これは非常に困難ですが、ご主人に代わりの保証人を立てさせるなどの交渉の余地はあります。
4. 慰謝料や養育費について
ご主人の一連の行為は離婚原因として十分認められるものであり、慰謝料を請求することは可能です。また、お子様がいらっしゃる場合は養育費を請求する権利もあります。
ご懸念の通り相手に支払い能力がなければ回収は難しくなりますが、離婚時に公正証書を作成しておくことで、将来支払いが滞った際に相手の給与などを差し押さえる手続きがスムーズに行えます。

問題が離婚、会社経営、保証債務と複雑に絡み合っているため、まずは借入契約書を確認の上、これらの資料を持って弁護士に相談し、具体的な戦略を立てることをお勧めします。

先生この度は詳しく教えていただきありがとうございます。早速契約書を確認したところ、公庫での借り入れなのですが連帯保証人は設定されておりませんでした。(手元にある書類はそうでしたが、おそらく、という感じなので契約書の内容を確認する必要があります)銀行からの借り入れは連帯保証人の欄に私の名前がありましたが、保証協会付きでした。今日近隣の弁護士事務所へ連絡し、週明けに相談にのっていただけることになりました。先生のおかげです。心より感謝申し上げます。