競業避止義務違反に関する損害賠償請求の可能性と対策
2022.11月-A社(派遣業、イベント業として登録)入社 契約社員として、派遣先の大手キャリアで携帯販売を行う
2024.11月末-A社退職
2025.1月 個人事業主として開業
(通信事業者の営業代行として登録)
2025.2月 業務委託関係がある会社(イベント業として登録)から紹介されたところで大手キャリアで携帯販売を行う
※派遣先は以前と別店舗、別キャリア
また、実際は業務委託契約書などは存在せず口約束である状態
2025.8月 A社から
不在着信と「建設的に話がしたい」「電話を折り返しいただけない場合は「競業避止」に違反したとみなし行動を起こすことにいたします。」というメッセージが来た
入社時、建築業界からの転職1回目の業界未経験19歳だったこともあり、そのような契約書にサインしたかどうか記憶が定かじゃない部分があります。ので、突然の連絡で気が動転しております。私はA社の人間に他社や自分の事業への勧誘も行なっておらず、顧客情報も持ち出しておりません。行動を起こすという文章からどうなるか不安で投稿させてもらっています。周囲の同じA社に元々在籍していた知人にも聞くと「辞めてから一年か二年以内に同じ通信業界の他社へ行く、独立すると100万円の罰金(損害賠償とかかれていたかもしれない)」という書類に皆サインしていました。控えは貰わず、原本はA社が預かっております。私は損害賠償請求されてしまうのでしょうか。また請求されてしまう可能性は高いでしょうか
補償などはございません。退職金もありません。
サインされた書類に定められた競業避止義務の内容が無効と判断される場合には、競業避止義務違反を理由とする損害賠償請求が認められないと判断される可能性があると考えられます。
また、退職後に訴えられる可能性があるかについてですが、会社にも訴訟を提起する権利がありますので、会社がご相談者様の事業が競業避止義務条項に違反すると考えた場合には、提訴する可能性があります(提訴された際に競業避止義務の有効性について争うことになります。)。
なお、そもそも競業避止義務条項の有効性については、憲法上の職業選択の自由の観点から厳しく判断される傾向にあります。
有効性の判断については、主に、退職する従業員の地位、会社に守るべき利益があるか否か、競業禁止の期間、地域的制限の範囲、禁止される競業行為の範囲、代償措置の有無という要素を総合的に考慮して判断されています。
退職金や補償がないとなりますと代償措置がないとして、競業避止義務条項の有効性を否定する要素となります。
書類の競業避止義務条項の有効性については、具体的かつ詳細な事実関係の検討が必要になるため回答いたしかねますので、お近くの弁護士や労働法に精通した弁護士にご相談いただいたほうがよいと存じます。
仮に、競業避止義務条項が無効と判断される場合には、退職後に競業する事業を営んでいることに対して訴訟をされた場合であっても、競業避止義務違反として責任を負わないと判断されるものと考えられます。