妊娠中絶に伴う慰謝料の相場について

自分の高校生二年の息子が同級生の彼女に妊娠させてしまった事が判明した、当人達交え、私達夫婦と先方の夫婦で話し合いの場を設けました。
彼女も、息子も未だ結婚とかも考えてはなく、
彼女も中絶の方向で決めてるとの事で、
向こうの親も感情的にはならず、お互いに責任はある点は理解しつつ、現状その方がいいと、彼女の意見を尊重されました。
私達も自分の息子のいたらなかった点を謝罪し、誠意を持って対応させて頂くとは伝えました。
今考えいる誠意として、中絶費用に伴う治療費、精神的苦痛を与えた事による慰謝料を考えてはいます。
双方合意の元なら慰謝料を払う必要もないとか、ネットに出てたりはしましたが、
実際のところどれ位の額がいいのか、
10万円くらいなのか、20万や30万なのか
悩んでおり相談させて頂きました。
同じクラスで未だ付き合いは続くので、
関係はこじらせたくはありません。
よろしくお願いします

妊娠•中絶に関する裁判例の動向を分析すると、昭和→平成→令和と時代が変わるにつれ、合意のある妊娠•中絶の場合には男性側は損害賠償責任を負わないという女性側の自己責任的な考えから、男女の性の差に目を向けた考え(妊娠•中絶の女性側の負担•不利益を男性側も分担•緩和する行動に出なければならず、それが不十分な場合には男性側も損害賠償責任を負うという発想)や女性の性や子に関する自己決定権の尊重の考え(妊娠のリスクがあるような性交渉をするか否か、子を儲けるか否か、子を産むか否か等の自由で自律的な決定が歪められていないかという発想)にシフトして来ているように思われます。
 妊娠や中絶を強要•強制したと扱われるようなケースでは、男性側に100万円を超える損害賠償義務を課す裁判例も見られます。
 他方、妊娠や中絶を強要•強制したとまではされないものの、妊娠•中絶から生じる負担や不利益の分担が不十分、不利益の緩和に向けた行動が不十分、中絶の前後のコミュニケーション不足等を理由に男性側に損害賠償義務を負わせる裁判例が近時増えて来ているように思われます(裁判例の中には、30〜60万円程度の認定に留まるケースも見られます)。
 ご投稿内容からしますと、息子さんも彼女さんも高校2年生とお若いこと、双方の家族も交えた話し合いが行われていること、誠意として治療費や慰謝料等の一定の金銭的負担をしようとしていること等の事情がみられますので、裁判にまで発展しているケースよりは低い金額でもお相手の理解は得られるのかもしれません(なお、中絶手術を受ける側としてはお辛い体験となるため、慰謝の金額として10万円程度の金額で相応しいといえるかは要検討かと思わられます)。
 お相手の意向もあるかと思いますので、まずは、中絶手術に伴う治療費やアフターケアにかかる費用等も含め50万円程度からお相手にご提案なされてみてはいかがでしょうか。

ありがとうございます。
参考にさせて頂きます