実家の鍵交換の法的根拠と相続権について教えてください
実家の相続に関して教えてください。
私の父母は離婚しており、実家には約10年ほど父と弟が住んでいました。昨年父が亡くなり、遺産相続が発生している状況です。
弟と手続きや持ち分について話し合う中で感情のもつれが出てきており、弟は「実家訪問は事前に連絡すること。また、自分の在宅時に限ること」という条件を課してきました。事前連絡に異論はありませんが、手続きのため父の資料が必要な状況で訪問日を制限されるのは不便極まりないです。
遺産割合が決まっていない現状、私にも権利があるので訪問日の制限をされるのは困ると伝えたところ、居住権を法的根拠として鍵を変えると言い出しました。
弟本人は、鍵交換は専門家に確認済みで問題のない行為だと言っていますが、本当にそうなのでしょうか?
補足として、私も実家に住んでいた期間があり、成人後は実家を出るまで固定資産税の一部を支払っていました。
お答えいたします。亡きお父様の遺産としての相談者様のご実家については,遺言もなく且つ他に相続人がいない限り相談者様と弟さんが2分の1ずつ取得することになります。従って,相談者様がご実家を訪問すること自体は問題がありません。但し,弟様がご実家で生活されているのであれば,弟様にはプライバシー権があります。従って,訪問の際には事前に知らせて欲しい旨の要求は不当ではありません。また,弟様が相談者様が事前に訪問を知らせてくれないことでプライバシー権が害されると考えた場合には,プライバシー権を守るために鍵を変えることも不当とは言えないと考えます。ただ,相談者様が相続人の権利を行使しようとして,例えば,ご実家を売却するためにご実家の状況を確認しようとして建物内に立ち入ることについて,弟様が拒否することはできないので,そのことは相談者様から弟様にはっきり告げておいた方がよろしいと思います。
正確には具体的な経緯等を確認する必要がありますが、ご記載の事実関係のみを前提とした場合、結論的には、建物の鍵を他方の相続人(=cccさん)に無断で交換する行為は違法とされる可能性があります。
遺産の建物は、遺産分割前であれば各相続人の共有状態にありますが、共有物に対して単独で行えるのは、現状を維持する行為=保存行為のみが基本です。
鍵の交換が他方相続人を排除する目的でなされるということであれば、法的には「保存行為には該当せず、他方相続人の同意なく行うことはできない」と評価される可能性があるでしょう。
弟さん主張の居住権の侵害の有無は、実際に立ち入る際の態様なりの問題であって、鍵の取替えの話とは区別されるものと思われます。
すでに対立関係が深まっておられるようであり当事者間で遺産分割協議を完結するのは少々難しい状況かもしれませんが、特に鍵交換を強行されるような場合は、弁護士へご相談なさった方がよいかもしれません。