社員によるガソリン横領への対処法と弁護士依頼の必要性
父の経営する会社で事務員をしております。
車で現場に行くので、急な給油等もあることから、
作業員にはガソリンカードを渡しておりました。
母が経理をしており、給油に関する確認(領収書など)は一切しておりませんでした。
もう20年程続いておりました。
以前から一社員の行動が不審だったので領収書の提出を徹底したところ、
明らかに給油回数と量がおかしく、他社員からも怪しい行動があると聞き、
防犯カメラを確認したところ、携行缶を車に運んでいるのが判明しました。
業務で機械にガソリンが必要で、携行缶にも給油するのです。
携行缶に給油するのは消防法でスタンドに申請が必須で、
スタンドに確認したところ、会社に申請せずに毎回携行缶に業務以外の給油をしておりました。
問いただすと、意味不明な言い訳をしたので、ガソリンカードは取り上げました。
その後、その社員がいつも乗っている車の燃費が急に悪くなり、ドライブレコーダーを
調べたら、毎日同じ場所に行き、ガソリンの抜き取りをしていました。
その場に行き、動画も撮影しております。
恐らく、以前は私用車に給油をしていたようですが、こちらは証拠が少ないです。
いまある証拠を警察に持っていき、被害届の提出も考えたのですが、
損害賠償や中退金の減額を考えた場合、先に弁護士さんにお願いした方がいいのでしょうか?
手を変えてまで繰り返すので悪質ですし、小さな会社なので一人でも窃盗する人がいるだけで、
損害が大きいです。
いつでも本人にヒアリングが出来るように、画像や動画、ガソリンの給油明細などまとめています。
その後の手順が判らず、困っています。
被害届を出した場合、弁護士さんにお願いした場合、どのような違いがありますか?
①手続きの違いについて
弁護士に依頼するということは、今回の場合であれば、損害賠償を求める交渉や訴訟を行うことが考えられます(この手続きで、相手の方に刑罰は与えられません。)。
他方で、警察に相談するということは、刑事罰を求める手続きを進めることになります。(この手続きで、相手から損害賠償を受けられるとは限りません。)
②今後について
被害額にもよりますが、被害額が大きい場合、弁護士に相談すべき事案だと思います。
弁護士に相談した場合、質問者様が「お金を払って欲しい」「刑罰を受けて欲しい」など、どのようなお気持ちが一番大きいかによって、(弁護士に依頼すべきかという点も含めて)どう動くべきかのアドバイスが受けられると思います。
ご記載の事情からしますと、会社と対象社員との間の労働関係及び対象社員に対する損害賠償請求に関する問題、刑事事件の問題の3点が生じていると考えられます。
被害届を出した場合には、主に警察が被害届を受理し業務上横領罪などで捜査を行うことになりますが、労働関係や損害賠償請求に関しては取り扱わないことになります。
弁護士に依頼した場合、依頼した内容にもよりますが、警察への告訴対応、労働関係及び損害賠償請求についての対応も行うこと可能になると考えられます。
特に、本件については、対象社員との労働関係を清算(解雇)する、懲戒処分を行うといった判断をすることになる可能性が想定されますが、懲戒処分を行うためには、そもそも就業規則に懲戒処分の規定がないとできないという法的な制約や、解雇を行う場合にも手続き等を誤れば不当解雇となってしまうおそれがあるため、労働関係について対応を行う場合には慎重な判断が必要になります。
加えて、どのようにヒアリングを進めていくべきか、証拠を集めるべきかといった点からも、専門的な知見からのアドバイスが必要になりますので、労働関係についての対応を検討されている場合には、使用者側の労働法務を扱っている弁護士に相談いただくのがよいと存じます。
また、損害賠償請求については、事前に対象社員に対して交渉にて損害賠償請求を行うことになると考えられますが、請求の前提として証拠を集める必要があります。
証拠を集める際に、対象社員からどのようにヒアリングをするか、客観的な証拠を集める方法についても、弁護士からのアドバイスの下進めるのがよいと思われます。