離婚時の財産分与における不動産査定の適正基準は?
20年近くモラハラを受けてきて、精神的ストレスで心身ともにつらく精神科に通っていました。
この度、私から離婚したいことを伝え同意してくれたので、土地と持ち家の財産分与をするのですが、
家を建てるとき、土地は現金で支払い、家はローンを組み、大手ハウスメーカーA社で建てました。
まだローンが半分位あります。名義は全て主人です。
主人が家と土地の査定を大手ハウスメーカー3社に依頼しました。そこには、建てたA社も入っています。
主人は3社の査定金額の平均を出して、そこから残りのローン金額を引いた2分の1の金額をと言っています。
しかし、査定金額はA社が1番高かったので、A社の査定金額を元にするのではないのでしょうか?
だって、もし売るときはA社に売りますよね。
この場合、どのように考えるのでしょうか。
よろしくお願いいたします。
不動産の価額の評価方法に画一的な決まりはなく、不動産業者の簡易査定も評価方法の一つとして利用されています。
そして、不動産業者毎に査定額にばらつきがあることから、複数社から査定をとり、その平均額を評価額として採用することも実務的には行われています。
ただ、この平均を採用する方法は、利害対立状況にある当事者(例えば、離婚の話し合いをしている夫婦)の双方で不動産業者の査定を取り合ってみたところ、両者の査定額に開きがある(財産分与をする側はより安めの評価額を求め、財産分与を受ける側はより高めの評価額を求める傾向があり、査定額にも開きが出やすいところです)のでその平均額を評価額として採用する場面が典型的なケースかと思われます。
今回のように、相手方配偶者側のみが複数社の査定をとっている場合には、ご投稿者さんのご指摘のとおり、A社の査定金額が1番高かったのであれば、A社に売却するのが合理的なため、A社の査定金額を基準にするという評価方法を採用することもあり得るところかと思います。
ただし、双方で不動産の評価額に折り合いがつけられない場合、離婚調停•離婚訴訟等の中で不動産鑑定士による鑑定(鑑定費用は当事者負担)まで実施するのかという話になりかねず、鑑定をやった結果、不動産業者の簡易査定額よりも低い金額となるケースもありますので、その点も留意してご主人側と話し合ってみてください。
取り敢えずは、ご投稿さんの考えているとおり、A社の査定金額が1番高かったのであれば、A社に売却すればよいので、A社の査定金額を基準にすべきという考えを伝えてみてはいかがでしょうか(平均額では納得いかないようでしたら、離婚に応じない姿勢を示すという対応方法もあろうかと思います)。
ご自身での対応が難しいようでしたら、お住まいの地域等の弁護士に直接相談なさってみてください。
お忙しい中、ありがとうございました。
取りあえず、そのように主人に話してみようと思います。
色々わからないことが多いので、アドバイスいただき感謝いたします。