婚約破棄に関するご相談

現在、婚約絡みで悪質な男女トラブルに巻き込まれています。
複数の弁護士の先生に相談したところ、私に大きな過失はほぼないとの見解をいただきました。

ところがその後、相手がさらに信頼を裏切るような不誠実な行動を取ったため、私は婚約を破棄し、慰謝料を請求する方針です。
現在はこの件が原因で無職となり、貯金も少ない状況のため、法テラスの利用も視野に入れています。
できれば示談で解決したいですが、難しいようであれば裁判も検討しています。

以下、3点ご相談させてください。

1. 相手がそもそも法律上結婚できない状況にあった場合でも、私から婚約破棄を伝えると私に不利とされる可能性はあるのでしょうか?

2. 話が長引けば弁護士費用もかさむと聞きますが、これは着手金・成功報酬以外に日当や時間単位の報酬が発生するからでしょうか?

3. こちらに有利な判断や判決が出ても、お金の管理を家族に握られているので支払ってもらえるのか不安です

お忙しいところ恐縮ですが、ご教示いただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。

ネクスパート法律事務所の弁護士の北條です。

1. 婚約破棄の有利・不利について
相手が法律上結婚できない状況にあったのであれば、あなたが婚約破棄を伝えても、あなたに不利になる可能性は低いと考えられます。
むしろ、事実を隠してあなたと婚約した相手の側に、婚約を破綻させた責任があります。したがって、あなたは婚約破棄の責任を問われることなく、相手に対して慰謝料を請求できる正当な立場にあります。

2. 弁護士費用について
ご認識の通り、弁護士費用は「着手金」と「成功報酬」が基本ですが、契約内容によっては、話が長引くと他の費用がかさむことがあります。
例えば、示談交渉で解決せず裁判になった場合、
・裁判所へ出廷するたびに日当が発生する。
・弁護士の作業時間に応じてタイムチャージ(時間制報酬)が発生する。
といった契約形態があります。裁判は期日が複数回にわたるため、その分費用が増えることになります。依頼する前に、どのような場合に、いくら費用が発生するのか、報酬体系をしっかり確認することが重要です。法テラスを利用する場合も、どのような費用が含まれるかを確認しておきましょう。

3. 慰謝料の回収可能性について
たとえ相手のお金の管理を家族がしていても、慰謝料を回収することは可能です。
裁判で判決を得るか、法的な強制力を持つ「公正証書」などで示談が成立すれば債務名義という公的な権利の証明になります。相手が任意に支払わない場合、あなたはこの債務名義を使って、相手の財産を差し押さえる強制執行という手続きをとることができます。差し押さえの対象には、相手自身の給与や預金口座などが含まれます。相手本人に収入や財産がある限り、そこから回収することが可能です。

北條先生。
お忙しい中、ご回答ありがとうございます。
とても分かり易く説明いただき安心しました。