退職前の有給消化を拒否された場合の法的対応は?

退職予定日の1ヶ月前に会社に退職届を出して残ってる有給をできるだけ使いたいので3日後から有給消化させて欲しいと交渉したら、社長に引き続きが出来てないきら駄目だと言われ断られました。しかし他の社員に聞けば引き続きは出来てると思うよと言ってくれました。こんな社長の反対だけで有給消化が出来ないものですか?ここで有給の申請は出したからと言って無理矢理有給消化に入ったら会社から損害賠償などを請求される可能性はありますか?

有給休暇の取得は労働者の権利であり、労働者が取得時期を指定するのが原則です。
例外的に会社が有給休暇の取得を拒否できるのは、「事業の正常な運営を妨げる場合」(労働基準法第39条第5項)に限られており、そのような事情がなければ、労働者が有給休暇の取得を申し出た時点で、出社の義務は消滅します。

今回のように、実際には引継ぎが済んでいるのであれば、会社が有給休暇の取得を拒む正当な理由は認められないと考えられます。

なお、よくある懸念として、有給休暇の取得を押し通した場合に、会社から損害賠償請求を受ける可能性が挙げられます。
しかし、会社がそのような請求をするには、売上の減少など、具体的な損害の発生を立証する必要があります。実際には、こうした損害の立証は困難であり、裁判上認められる可能性は低いと思われます。
万全を期すのであれば、引き継ぎが出来ているという同僚の証言を何らかの方法で残しておくと良いかもしれません。

以上より、今回のケースでは、引継ぎが適切に行われている限り、安心して有給休暇を消化して差し支えないと考えられます。

ありがとうございます。もう一つ質問なんですけど今の会社に入社してから8年間固定給だから有給はない。とずっと言われてきました。今まで必要最小限しか休めなかった事と、ずっと会社に有給がないと言い張ってきた事に対して罪にはならないんですか?

有給休暇の申請を拒否した場合、会社には6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科される可能性があります(労基法39条1項、同119条1項)。
また、貴方の勤務年数からすれば、会社は少なくとも自主的に年5日の有給休暇を取得させる義務があり、これを怠った場合には30万円以下の罰金が科せられる可能性があります(労基法39条7項、同120条1項)。

本件は、管轄の労働基準監督署に通告すれば調査の対象となり得る事案と思われます。