自営収入の明らかな引き下げは違法にはならないの?

自営業の夫が離婚調停中に婚姻費用減額の為に私の倍以上あった収入を私と同額までにした確定申告書を元に計算のし直しを求めてきました。
私は過去2年分の課税証明書を持っているのですがあきらかな収入の引き下げは認められてしまうのでしょうか?課税証明書では事業所得が前年度580万→確定申告で今年度150万となっています。
見比べ方も素人の為よく分からないのですが、知恵をお借りしたいと思いメール相談をしました。
よろしくお願いします。

ネクスパート法律事務所の弁護士の北條です。

ご主人が提出した確定申告書の金額が、そのまま婚姻費用の計算の基礎として「認められるとは限りません」。
婚姻費用を算定する際、家庭裁判所(調停委員も同様の視点です)は、直近の収入資料だけでなく、過去の収入の推移や当事者の職種、健康状態などを総合的に見て、公平な金額を判断します。

自営業者の場合、景気などの影響で収入に変動があることはあり得ます。しかし、今回のように離婚調停というタイミングで、前年度の580万円から150万円へと大幅に収入が減少している場合、その理由が厳しく問われます。
もし、ご主人が婚姻費用を低く抑える目的で意図的に仕事量を減らしたり、経費を不当に計上したりして収入を操作していると判断されれば、裁判所はその低い収入額をそのまま採用しません。

このような場合、裁判所は「以前と同程度の収入を得る能力(潜在的稼働能力)がある」とみなし、過去の収入(この場合580万円に近い金額)を基準として婚姻費用を算定することがあります。
今後の対応として、以下の点を調停で主張することが重要です。
・お持ちの過去2年分の課税証明書を調停委員に示し、収入が不自然に急落していることを具体的に指摘してください。
・ご主人に対し、収入がこれほど大幅に減少した「合理的で客観的な理由」を説明するよう調停委員を通じて求めてください。例えば、主要な取引先を失った、病気で働けなかったなど、具体的な事情とそれを裏付ける証拠(取引記録や診断書など)の提出を促します。

素人目には分かりにくい確定申告書も、不自然な点がないか確認することが大切です。不当な収入操作が認められないよう、客観的な資料に基づいて冷静に主張していくことが重要となります。

ありがとうございます!
やはり不自然ですよね。こんな事が罷り通るのか?とびっくりしました。子供達があちらにいるのですが養育費を払うと話したらその金額も引き上げる計算のし直しを要求されました。
昨年度の確定申告書も提出していて始めはそこから計算しているはずです。さらに今年度は別居するまで10ヶ月は今まで通り私も一緒に仕事をしていて取引先は減っていません。
扶養控除も0にして子供達を義親の扶養にもしている様です。税理士に相談したのでしょうけれど、これは納得しかねると思いました。
次回の調停で課税証明書を持っていき、主張します。