アルバイト先で無断使用した食券は法的問題になるのか?

数年前、アルバイト先で社内向けに配布されていた食券についてご相談があります。

この食券は、特定の売店などで使えるもので、名前と日付を書くことで使用可能でした。譲渡も可能とされており、管理も比較的緩やかでした。
当時は「使っていいよ」と言ってくれる人の分を使うこともありましたが、あるとき本人の許可がないまま他の人の食券を使用してしまったことがあります。
金額は多く見積っても、数千円程度です。

現在それから3年以上が経過していますが、今になって法律的に問題があるのではと不安を感じています。

以下の点についてご意見をいただきたいです:
•この行為は、窃盗や横領に該当する可能性があるか
•会社ルール違反で済むようなレベルなのか、法的な問題になり得るのか
•万が一、問題として扱われた場合の処罰や対応の可能性

よろしくお願いいたします。

ネクスパート法律事務所の弁護士の北條です。

他人の許可なくその人の名義で食券を使用した行為は、法的には「詐欺罪」や「窃盗罪」に問われる可能性があります。食券は金銭と同じように財産的な価値を持つものとみなされます。お店の店員を「正当な利用者である」とだまして商品を受け取った、という見方もできるためです。
この行為は、会社のルール違反であると同時に、刑法上の犯罪にも該当しうる行為です。そのため、単に「社内のルール違反」というだけで済む問題とは言いきれません。ただし、実際に警察が介入する刑事事件として扱われるかどうかは状況によります。

その上で、刑事事件として罪に問うことができる期間には「公訴時効」というものがあります。詐欺罪や窃盗罪の時効は「7年」ですので、3年以上が経過した現在でも法的にはまだ時効は成立していません。
しかし、
・被害額が数千円と比較的少額であること。
・すでに3年以上が経過していること。
・会社が今になってこの事実を把握し、時間や労力をかけて警察に被害届を提出する可能性は、一般的には高くないこと。
以上の理由から、現実的に今から大きな問題に発展する可能性は低いと考えられます。 仮に会社がこの事実を知ったとしても、被害額が少額であることから、まずは社内での注意や使用した食券代の弁償を求めることで解決を図るケースがほとんどです。いきなり警察に相談したり、解雇などの重い処分になったりする可能性は低いでしょう。

ご自身の行為を反省されているお気持ちは大切です。過度に心配し続ける必要はないかと思われますが、二度とこのようなことがないよう今回の件を心に留めておくことが重要です。