アパレル製品のサイズ不良に対する縫製工場への対応方法
私はアパレルブランドを経営しており、服を縫製していただいている縫製工場さんとのトラブルです。
4月末に納品後、販売している商品のお客様からのクレームで商品のサイズに問題があることがわかりました。調べたところ、この1点だけではなく、全ての同じ形の商品に同じ問題がありました。
すぐに縫製工場に問い合わせをして修理をして欲しいと伝えました。
服を見てから連絡するとのことでしたので着払いで送りました。
なぜ着払いで送ったかと言うと、その縫製工場さんを紹介してくださった別の縫製工場に相談したところ不良品であれば先方送料負担でいいと言うことだったからです。
その旨のメールもした上で送りました。
その後連絡があり理不尽な態度を取られ怒られました。そもそも私のような小さな企業を相手にしているところなんてないとか、間違えた資料を送ってきているなど。
しかし、私はメールで何度も該当箇所の修正をお願いしていました。
最終納品後にチェックをしていなかったのは私の落ち度ですが、サンプル作成の時点で何度も伝えているのに反映されていませんでした。
その事を伝えると、基本的にメールじゃわからない。修正用フォーマットがあるからそれで提出が必要と今更言われましたが、言われたことがありません。
なんとか落ち着かせ、1点修正すると言ってくださったのに、結局することもなく、修正できないと言われて、挙げ句の果てにもう私とは連絡をとりたくないと送り返されています。
明日佐川急便で届く予定ですが着払いになっているのかもわかりません。
私の師匠に相談したら、売値の上代で請求すべきとのこと。
そんな請求書送ったら怒るに決まっていますがそうなると嬉しいです。
この件は6月末に起こり、時間が経ち過ぎており販売の時期も逃してしまいました。
上代で請求して良いのか、縫製代と使った生地代(上代の40パーセント程度)なのか、などどのように進めていくかご教示願います。
どうぞ宜しくお願いします。
裁縫工場との契約内容をまず確認する必要があります。
場合によっては、検査通知をご自身が行っていないことから
請求を拒否される可能性があります。
商法
(買主による目的物の検査及び通知)
第五百二十六条 商人間の売買において、買主は、その売買の目的物を受領したときは、遅滞なく、その物を検査しなければならない。
2 前項に規定する場合において、買主は、同項の規定による検査により売買の目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないことを発見したときは、直ちに売主に対してその旨の通知を発しなければ、その不適合を理由とする履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。売買の目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しないことを直ちに発見することができない場合において、買主が六箇月以内にその不適合を発見したときも、同様とする。
3 前項の規定は、売買の目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないことにつき売主が悪意であった場合には、適用しない。
ご連絡ありがとうございます。
今回は契約書を交わしていません。
紹介でしたので取り決めがないまま進んでいました。
どうしたら良いでしょうか?
宜しくお願いします。
ネクスパート法律事務所の弁護士の北條です。
今回のトラブルは、縫製工場が指示通りの製品を納めなかったことによる「契約不適合」にあたります。工場側は、契約内容に合った製品を完成させる義務があり、それを怠った場合は責任を負わなければなりません。サンプル段階であなたがメールで修正指示をしていた記録は、工場側の責任を追及する上で重要な証拠となります。「専用フォーマットが必要」という後からの主張は、事前に説明がなかったのであれば通用しにくいでしょう。
また、請求できる損害賠償の範囲について、ご質問の「上代(販売価格)」での請求ですが、これは販売していれば得られたはずの利益を含んでおり、法的に全額を認めさせるのは簡単ではありません。裁判になった場合、確実に全量がその価格で売れたことの証明が必要となり、ハードルが高いためです。
法的に請求が認められやすいのは、主に以下の「直接的な損害」です。
・支払い済みの縫製代金
・あなたが提供した生地代などの材料費
・もし他社で修理する場合の、相当な修理費用
これを踏まえた上で、今後の進め方としては、以下の手順が考えられます。
1. 証拠の整理
修正を指示したメールや工場とのやり取りの記録など、関連する資料をすべて整理・保存してください。
2. 内容証明郵便による請求
弁護士の名前で、工場側の責任を法的に指摘し、損害賠償を請求する「内容証明郵便」を送付します。請求額としては、交渉の出発点として、原価(縫製代+生地代)に加えて、販売機会を失ったことによる損害の一部を加えた金額を提示することが考えられます。
3. 交渉
相手方が話し合いに応じれば、具体的な賠償額について交渉します。感情的な対立を避け、法的な根拠に基づいて冷静に進めることが重要です。
これら全てをお一人で対応するには精神的なご負担も大きいかと存じますので、一度、証拠資料をお持ちの上で弁護士にご相談されることをお勧めします。
ありがとうございます。
是非お話ししたいのですが可能でしょうか?
宜しくお願いします。