私文書偽造に対する実刑

本日別居中の夫が私の署名と保証人の署名を許可を取らずに全て自分で記入し役所に提出いたしました。私が不受理申請を事前に提出していたことに腹を立て連絡が来ました。夫側の立場に立ったご意見がいただけるとありがたいです。ネットで調べたところ初犯の場合不起訴になり実刑は免れるようなことが書いてありましたが本当でしょうか。夫はLINEだけで何度も離婚を求めて来て私は離婚届は書きませんと拒否してきました。精神状態が悪く精神科からの診断書もあるのに、それでも彼は3日に一度以上のペースで私への離婚LINEをやめることはなく、2回LINEで勝手にだすからなと脅して来ました。不起訴ではなく実刑にしてもらうには私はどう訴えたら実刑になりますでしょうか。保証人も許可なく偽造したと本人が認めたLINEも保存してあります。弁護士先生が庇いきれない内容を教えて欲しいです。

刑法第159条第1項は、「行使の目的で、次の各号に掲げるいずれかの行為をした者は、三月以上五年以下の拘禁刑に処する。」としており、
同項第1号は「他人の印章等を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書等を偽造し、又は偽造した他人の印章等を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書等を偽造する行為」と規定しています。

また、刑法第161条第1項は「前二条の文書等又は電磁的記録文書等を行使した者は、その文書等若しくは電磁的記録文書等を偽造し、若しくは変造し、又は虚偽の記載若しくは記録をした者と同一の刑に処する。」と規定しています。

したがって、相手方が市役所に提出する目的で離婚届を偽造する行為は有印私文書偽造罪に該当し得ます。
加えて、相手方が実際にその偽造した離婚届を役所に提出していた場合は、偽造有印私文書行使罪が成立する可能性があります。

実際に同種の容疑で逮捕されている事案も下記の様に報道されています。
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/2013682?display=1

上記、ご参考ください。

西浦先生ご回答ありがとうございます。でも初犯であったり内容によっては実刑にならない場合もあるのですよね。夫は不倫やDVがあるわけではないです。訴えるならきちんと刑罰を受けて欲しいのですが、弁護士先生がついた時に不起訴になる可能性を知りたいです。よろしくお願いします。

ネクスパート法律事務所の弁護士の北條です。

旦那様が勝手に離婚届を偽造して提出したとのこと、大変な衝撃を受けられたこととお察しいたします。

まず、旦那様側の立場で考えられる主張としては、「どうしても離婚したかったが、妻が話し合いに応じてくれなかった」といった動機面を訴えることが考えられます。しかし、いかなる理由があろうとも、離婚届の署名を偽造する行為は「有印私文書偽造罪」および「同偽造私文書行使罪」という犯罪にあたり、許されるものではありません。

次に、刑事罰についてです。
ネットで書かれているように、ご夫婦間の問題という側面もあり、初犯で、かつ不受理申出によって実際に離婚が成立しなかった場合などでは、検察官が起訴を見送る「起訴猶予処分(不起訴の一種)」となる可能性はあります。

一方で、旦那様を「実刑」に、というお気持ちは当然のことと思います。
しかし、被害者の方のご意思だけで刑罰が決まるわけではなく、この種の犯罪で初犯の方がいきなり実刑判決(執行猶予がつかずに刑務所へ行くこと)を受ける可能性は、残念ながら極めて低いのが実情です。

ですが、不起訴ではなく、正式な裁判にかけてほしい、あるいは少しでも重い処分を望む、ということであれば、捜査機関に対してそのお気持ちを強く伝えることが重要です。そのために、警察に「告訴状」を提出することを検討されるとよいでしょう。

弁護士から見ても旦那様の行為で悪質性が高く、庇いきれない点は以下の通りです。

1. 事前にLINEで「勝手に出す」と脅していること(計画性がうかがえる点)
2. ご相談者様の署名だけでなく、保証人の署名まで偽造していること(被害が広範囲である点)
3. 偽造を認めるLINEの記録が残っていること(言い逃れができない明確な証拠がある点)

これらの点は、検察官が処分を判断する際に、旦那様にとって大変不利な事情となります。まずはご自身の心と体の安全を第一に考え、今後の対応については、証拠をお持ちの上で、改めて弁護士にご相談されることをお勧めいたします。