不倫相手との示談書での清算条項の効力について

配偶者の不倫相手と示談書を直接交渉で締結予定です。

示談書には以下の清算条項を設けています。
・甲及び乙は、本件に関し、以上をもってすべて解決したものとし、本条項に定めるほか、甲乙間に何らの債権債務のないことを相互に確認する。
※上記の「本件」は不貞行為を行った件を指します。

この清算条項を設けた示談書に双方が署名・捺印をした場合、後から私から慰謝料の増額を要求することもできないし、不倫相手から高額過ぎるから減額を要求することもできないと理解しています。

慰謝料が相場より高い500万円などで締結できた場合、不倫相手が後から「高過ぎる」と減額請求をし、最終的に裁判になった場合でも基本的には署名・捺印された示談書があれば減額は難しいという認識でよろしいでしょうか?

不倫による離婚するケースで交渉過程で脅迫等の問題行為はない場合として教えて頂けましたら幸いです。

不倫の慰謝料に関する「清算条項付きの示談書」についてのご質問と言うことになると思います。

結論としては、ご認識は原則として正しいです。すなわち、当事者双方が署名・押印した清算条項付きの示談書がある限り、後から「慰謝料が高すぎた」「やっぱり足りなかった」などと主張しても、裁判所は基本的にその示談書を尊重し、再請求や減額は認められません。。

まず、清算条項の効力ですが、清算条項は、「本件に関する一切の紛争が解決した」ことを明記する条項です。
一般的に、不貞慰謝料を含む損害賠償請求では、この条項が「将来にわたる一切の請求権を放棄した」と解釈されるため、その後の追加請求や撤回・減額は原則認められません。

また、「不倫慰謝料」(数十万円〜300万円程度)を超える金額でも、示談による合意であれば「相場より高い」というだけで無効や減額の理由にはなりません。当事者が自由意思で署名・押印している限り、「合意したことに意味がある」とされます。

裁判で無効・減額が認められるのは例外的です。以下のような事情があれば無効・一部取消の可能性があります:
①錯誤・詐欺・強迫(民法95条〜)
例:事実に反して「法律上500万円が当然」と誤認させた

②著しい公序良俗違反(民法90条)
例:相手が明らかに判断能力が乏しい未成年や高齢者だったなど

しかし、今回のケースでは「脅迫もなく、通常の交渉の範囲で合意されたもの」とされる限り、裁判で減額されるリスクは極めて低いと思われます。

鈴木先生
詳しくありがとうございます。
とてもわかりやすく理解できました。