法人役員の勝手な解任、報酬未払い

1.法人役員の立場ですが、2ヶ月代表と連絡が取れず勝手に辞任扱いされていること
2.報酬が未払いであること
3.業務委託費用の未払いによる私への催促の連絡が多発していること

法的な論点としては、まず、「勝手に役員辞任扱いできるのか」という点ですが、そのようなことは原則としてできません。

役員(取締役など)は会社法上、辞任は本人の意思表示によってのみ成立 します(準委任契約・民法651条)。勝手に代表取締役が「辞任したことにする」のは、効力はありません。「解任」する場合は株主総会(または取締役会)決議が必要になります。

争点は、本当に辞任届を出したか否か、取締役会議事録、株主総会議事録に記載があるかということになります。辞任登記がされている場合には、辞任届けが勝手に作成されて出されている扱いになっている可能性があります。

次に 報酬未払い(役員報酬)ですが、役員報酬は、会社法361条で「株主総会の決議が必要」ですが、「株主総会で決めた額を支払わないのは契約違反」(会社法上は委任契約違反として民法で請求可能)ということになります。

実際に報酬を受け取ってきた実績(通帳振込記録など)があるのであれば、その実績から「報酬額の合意」を推認して、会社に報酬の請求をすることになると思われます。

「 業務委託費用の未払いであなた個人に請求が来ている」という点については、もし業務委託契約が「法人と委託先の間」であるなら、未払い責任は法人にあることになるので、 役員個人に支払い義務が生じることは通常はありません。

次に、具体的にどう対応するかですが、弁護士にきちんと依頼をした方良い事案であると思われます。

ステップ1 ▶ 証拠を集める
定款・株主総会議事録・取締役会議事録
役員辞任届の有無
過去の役員報酬の振込記録
業務委託契約書

ステップ2 ▶ 内容証明で会社に請求
「辞任していない」「未払い役員報酬を支払え」と正式に請求する
催促が個人に来ている場合は「契約当事者は法人である」と書面で回答する

ステップ3 ▶ 代表とコンタクトが取れないなら株主総会を要求
他の取締役や株主と連絡を取り、臨時株主総会の開催を求める
必要であれば法的に総会招集請求(会社法297条・取締役会設置会社なら296条)

ステップ4 ▶ 未払い分は民事訴訟へ
合意書や議事録があれば、役員報酬は債権として請求可能です。
必要に応じて訴訟に移行することになります。