既婚者と知らず交際、慰謝料請求の可能性
半年間交際していた男性が、実は既婚者だったことが発覚しました。
慰謝料の請求を検討しており、慰謝料を取れる可能性と、おおよその金額の目安について教えていただきたいです。
彼からは「バツイチ」だと聞いて交際を始めましたが、ある会話の中で不審に思い問い詰めたところ、既婚者であることを本人が自白しました。
交際期間のうち約3ヶ月は半同棲状態で、毎日一緒に過ごしており、
「来年には正式に同棲しよう」「いつまでには結婚しよう」など将来の約束もありました。
私の友人にも紹介していた相手です。
精神的にかなり追い詰められ、最終的には退職代行を利用して仕事を辞めています。
所持している証拠は以下の通りです:
• 「戸籍謄本を見せて」と頼んだ際、相手が了承した会話の音声録音
• 半同棲を示すLINEのやりとり(帰宅時間の確認、食事内容など)
• 相手が慰謝料支払いを認める内容の、簡易的な直筆の同意書
• 相手が嘘を認めて謝罪する会話の録音(結婚の話をしていたことも含む)
• 相手の氏名・住所・勤務先の情報も保有しています
このような状況ですが、慰謝料請求が可能かどうか、また請求額の目安を教えていただけると幸いです。
また、今後どのような流れで進めていくべきかもご助言いただけますと助かります。
具体的にどういう証拠があればもっと有利になれるのかがあればも教えてほしいです。
彼からはバツイチで子どもと同居しているから家には来れないと言われていました。
これも証拠のラインがあります。
証拠はないですが、子どもとのLINEのやり取りで奥さんと一緒には住んでいない雰囲気のものも確認しています。
話し合いの際に、奥さんとは年内に離婚する同意が取れていて8年前から一緒に住んでいないと聞きました
既婚者ではないと偽られて交際関係(肉体関係を含む)に発展したこと等の経緯•事情に鑑みれば、貞操等の人格権侵害を理由に不法行為に基づく慰謝料請求が可能と思われます。想定される慰謝料額としては、数十万円〜200万円弱の範囲(交際期間が他の裁判例の事案等と比較して短めのため、このレンジの中央値よりも低めと評価される可能性は念頭に置いておいた方がよいかと思います)。
相手方の偽り方•程度の悪質性、半同棲状態にあったこと、仕事を辞めるに至ったこと等が重視されれば、慰謝料が増える方向に働く可能性があるかと思います。
他方、交際期間が半年程度、交際に入る際の確認の状況•程度(バツイチが本当か否かどの程度しっかり確認の上で交際を開始したか)等の事情を重視されると、慰謝料額が相対的に低めに評価される可能性もあります。
今後の流れですが、以下のような流れが考えられるかと思います。
•まずは、相手方から慰謝料の金額を提案させる
•相手方と増額交渉を行う
•話し合いで折り合いがつかなければ、訴訟を提起する
なお、この種の事案では、相手方の配偶者との関係にも注意を要するところです。
相手方の配偶者の視点からすると、相手方とその交際者(本件ではあなた)の関係を不貞関係と捉えるおそれがあり、相手方の配偶者から不貞行為の慰謝料請求がなされる可能性もあるため、その点にも留意して相手方と交渉等して行く必要があることにも留意なさってください(注意すれば既婚者と気づけたと判断される場合、既婚者と知らなかったとしても過失ありとした、損害賠償義務を負わされている裁判例もあり、注意を要するところです)。
いずれにしましても、ご自身での対応が難しいと感じられる場合には、弁護士を代理人に選任し、連絡•交渉窓口になってもらう方法もあるかと思います。
既婚者であることを隠されて肉体関係を持った場合には、貞操権侵害として慰謝料を請求することができるものと考えられます。
貞操権侵害の慰謝料額については、50~300万円が相場といわれていますが、事実関係により額が変わってきますのでご承知おきください。
また、相手方と交際するに当たって、相手方からどのような言動がなされ、相手方が既婚者ではなく、婚姻することができると誤信するに至ったかという点も重要になりますので、相手方との間のやり取りをご確認いただくのがよいと思われます。
対応方法としては、ご自身又は弁護士を通じて相手方と交渉を行う、交渉がまとまらなければ裁判を行う、という流れになると思われます。
ご指摘があるように、相手方の配偶者から、ご相談者様に対して、不貞行為に基づく慰謝料請求が行われる可能性がありますので、その点もご留意ください。
貞操権侵害については、事実関係が重要になりますので、一度弁護士にご相談いただくのがよいかと思われます。
貞操権侵害として慰謝料の請求は可能かと思われます。金額的にはケースバイケースですが、50〜100万円前後となることが多いかと思われます。
ただ、相手が既婚者ということを考えると、相手の住所に書面を送ったりすると妻に関係性が発覚し、こちらに対して慰謝料請求が飛んで来るというリスクがあるため、相手との交渉の仕方については慎重に検討された方が良いでしょう。
実際に知らなかった場合でも知らなかったことに落ち度があると認められると慰謝料請求自体は認められてしまいます。
今後の進め方も含め一度弁護士に相談をされた方が良いかと思われます。