口頭合意での印税未払い、穏便な法的解決策は?
フリーランスの作家です。
とある企業と契約書は交わさず、「印税は約半分ずつ」との口頭合意で、共同著者として書籍を2冊出版しました。
■ 現在の問題
・1冊目:電子書籍分の印税が未払い
・2冊目:物理書籍+電子書籍の印税が未払い
・さらに:その企業が発行する雑誌に5年間連載した原稿料も未払いです。
何度も催促しましたが、支払いに応じてもらえません。
■ ご相談内容
・この場合、口約束でも法的請求は可能でしょうか?
・できる限り費用や負担を抑えた解決手段(内容証明、調停など)があれば教えていただきたいです。
なお、SNSでの公表や訴訟は望んでおらず、穏便かつ正当な手続きで解決したいと考えています。
どうぞよろしくお願いいたします。
なお、出版社→問題の企業間の支払いは行われています。
問題の企業→私間が行われていません。
このことが原因で病気にもなり、かなり辛い状況です。どなたか助けてくれると嬉しいです。
一般論として口約束でも契約は成立しますが、具体的な合意の内容を立証できる必要があります。メール等で印税を折半することを前提としたやり取りなどが残っていれば、証拠となり得ます。また、書籍についてご自身で執筆されたのであれば、単独または当該企業と共同で著作権を有していると考えられるため、契約書がなくても著作権に基づき合理的な金額を請求できる可能性があります。
訴訟以外であれば、当事者間での(可能であれば弁護士を介した)話し合いや調停のほかに、著作権に関する紛争解決あっせん制度(文化庁に申請)などが使える可能性があります。
ご回答ありがとうございます。
口約束についての法的な成立や証拠についてのご説明、大変参考になりました。
それで、こちらに書き込んだあと、一度は相手方と話し合いを行いました。
その結果、以下の内容で合意が成立しました。
•7月31日までに未払い金額の明細を提示すること
•その内容を確認したうえでこちらから請求書を送り3回払いでの分割支払いを行ってもらうこと
•印税は半分ずつという取り決めも、会話の中で録音済みです
ただし、過去に6回連続で約束を破られてきた経緯があり、今回も履行されない可能性がある、さらに明細を誤魔化す可能性があると感じています。
このような場合、次のステップとして調停や文化庁の著作権紛争解決あっせん制度に進むという方針は妥当でしょうか?
また、その際に備えて今から準備しておくべき書類や証拠があれば教えていただきたいです。
どうぞよろしくお願いいたします。
当事者間で支払い義務自体に争いがなく、単に先方が支払わないというだけであれば、あっせん手続きは適さないと考えられます。
相手が応じるのであれば、現時点で専門家に依頼して、支払い義務を確認する公正証書を作成してもらうのが最も望ましいでしょう(相手が約束を守らない場合、裁判を経ずに強制執行が可能となります。)。それが難しい場合で約束が守られなかったときは、一概には言えませんが、訴訟提起のほうが解決が早いように思われます。
ご丁寧なご回答、本当にありがとうございます。
頂いた内容を踏まえて、以下のような段取りで進めようと考えていますが、ご確認いただけますでしょうか。
1.まずは7月31日の明細提示を待ちます。
2.明細が出た後、支払いに関しては公正証書で取り交わすことを提案します(これまでの遅延実績を踏まえての判断です)。
3.相手が拒否したり、明細の内容をごまかしたり、こちらの指摘に対応しないようであれば、「申し訳ありませんが、訴訟を検討せざるを得ません」と伝えます。
4.それでも進展がない場合、録音・書面などの証拠をもとに、先生にご相談のうえ訴訟を進める形に移行する予定です。
上記のような流れで問題ないか、また追加で注意すべき点などがあればご教示いただけますと幸いです。
特に問題はないように思えますが、これまでの経緯、相手方の属性等の詳細な情報がわからないため、断言はしかねます。限られた情報を踏まえたうえでの一般的なアドバイスにとどまることをご承知おきください。