貸与型奨学金の返済義務について

某機構より、貸与型の奨学金を利用して、現在米国大学院に通っております。
今回、他の支給型の奨学金を受諾できることとなり、貸与型の奨学金を受け取っている某機構より、「これまでの奨学金を全て返済していただくことになるかもしれない」と言われてしまいました。
当方の認識では他団体の奨学金を受け取り、現在の貸与型の奨学金を中止することは特に問題にはならず、返済不要と考えていました。

契約書には以下の通り書かれています。 返済は必要になり得るでしょうか。
特に、某機構からは、「その他正当な理由なく誓約事項や注意事項に違反した場合」についての詳細な説明は受けておりません。

(2) 研修の中止
以下の場合、機構は研修を中止することができるものとします。
1)傷病等のため研修を継続することが困難と認められる場合
2)成績不良その他の事由により、研修目的の達成が困難と認められる場合
3)誓約書への違反等により、研修の受講を続けさせることが適当でないと認められる場合
4)その他機構がやむを得ないと認める事由がある場合

(3)研修経費の返還義務の免除
研修終了日の翌日から起算して 5 年以内に、通算して 36 月以上の期間、当機構の事業 に参画した場合、研修経費の返還義務は免除されます。なお、ここでいう「当機構の事業への 参画」は、当機構と雇用契約等を締結して当機構の業務に従事すること、又は開発コンサルタ ント等として機構の事業の業務従事者となることを指し、その他機構が認める方法をいいます。 参画月数には、休職(業務上の理由によるものを除く。)、停職および育児休業等の私的理由 による休業期間を含みません。

(4) 研修経費の返還
以下いずれかに該当する場合は、研修に係る経費の一部若しくは全額を一括で返還してい ただきます。ただし、特別なやむを得ない事情があると機構が認めた場合には、条件の一部 を猶予する場合があり、都度個別に判断しますので、当機構にご相談ください。
1) 上述(2)により研修を中止した場合(ただし、やむを得ないと JICA が認めた場合を除く。) 2) 研修期間内に学位を取得できなかった場合(ただし、個別の事情に応じ、一定期間の猶 予を設ける場合がある。) 3) 研修終了日の翌日から起算して 5 年以内に、通算して 36 月以上の期間、当機構が 認める方法により当機構の事業に参画しなかった場合。(ただし、個別の事情に応じ、一 定期間の猶予を設ける場合がある。) 4) その他正当な理由なく誓約事項や注意事項に違反した場合

宜しくお願いいたします。

あくまでご質問の内容からわかる範囲での回答のため正確でない可能性はありますが、
①「(2) 研修の中止 」のいずれかに該当して機構が研修を中止とし、「(4) 研修経費の返還」の「1) 上述(2)により研修を中止した場合」に該当するか、
②「(4) 研修経費の返還」の「4) その他正当な理由なく誓約事項や注意事項に違反した場合」に該当し、
返還を請求される可能性があるように思われます。
いずれにせよ、機構との間で取り交わした書面の内容や機構側の主張の詳細を確認しないと確定的な回答は難しいと思われますので、弁護士に直接相談されることをお勧めします。

貸与型の奨学金の利用は中止するが、帰国後は、記載されている「(3)研修経費の返還義務の免除」記載の免除要件は満たすように対応するということを前提のご質問ということですよね。

そうであれば、まずは、先方に、返済が必要となり理由を、契約書の記載等に基づき教えて欲しいと伝えるとよいと思います。

その回答を踏まえた上での検討となるでしょう。

詳しい事情がわからないので、一般論として回答できるところだけ、ご対応いたしますと、契約内容について本件は、法的に正確に分析すべき事案です。素人判断は大いに危険です。本相談は、ネットでのやりとりだけでは、正確な回答が難しい案件です。こういったケースで、他団体の奨学金を受け取り、現在の貸与型の奨学金を中止することは特に問題にはならないとしても、返済は当然に必要になる可能性が高いです。もっとも(4)の3) を充足するような活動を行う等、何らかの手立てはあるかもしれません。どうしても不安であれば、この手の問題に精通した弁護士等に、ネットではなく直接相談されるのが良いと思われます。良い解決になりますよう祈念しております。誠実に対応しましょう!