不貞した両者への慰謝料請求
不貞の慰謝料請求の際に二重取りになる場合はどのような場合でしょうか?
不貞相手の女性とは裁判中です。
旦那にも請求したら二重取りになりますか?
また、求償権は放棄しないつもりですが、旦那からも慰謝料を貰う場合、不貞女性の求償権は放棄したことになりますか?
民法第719条第1項は「数人が共同の不法行為によって他人に損害を加えたときは、各自が連帯してその損害を賠償する責任を負う。共同行為者のうちいずれの者がその損害を加えたかを知ることができないときも、同様とする」と規定しています。
法的には、旦那さんと相手方女性は、共に相談者さんの権利または法律上保護される利益を侵害した違法な行為を行ったものとされ、「共同不法行為」を行ったとする評価を受けます。
したがって、上記の民法第719条により、旦那さん、または相手方女性は「連帯して」賠償義務を負うことになります。
具体的には、相談者さんがα円相当の精神的苦痛を受けた場合には、相談者さんは、旦那さんと相手方女性から合計α円の賠償を得ることが可能であり、α円のうち全部または一部を、旦那さんと相手方女性のいずれに請求しても構わないという立て付けになります。
求償権については、旦那さんや相手方女性との間の示談・和解の契約内容で規定することになります。
詳細についてお聞きになりたい場合、最寄りの法律事務所での相談も検討ください。
離婚しない場合でも両者から合計300万円貰うことは可能ですか?
この金額が裁判で認められますか?
求償権を放棄せずに、両者から慰謝料の支払いを受ける場合には二重取りに該当するものと考えられます。
また、「また、求償権は放棄しないつもりですが、旦那からも慰謝料を貰う場合、不貞女性の求償権は放棄したことになりますか?」についてですが、こちらでは求償権を放棄したことにはなりません。不貞女性と旦那さんそれぞれから、求償権を放棄するという合意する必要があります。
離婚しない場合に両社から合計300万円という慰謝料の金額は、裁判実務上、認められる可能性は低いです。
もっとも、合意において相手方が納得して応じる場合には、合計300万円の慰謝料額を受け取ることも可能かと考えられます。
難しいのですね。
300万という金額は、両者ともに示談で納得するのであれば可能ではあるということですね。
離婚しない場合は、調べたところ相場100万円程度と出たのですが、裁判の場合、両者合計で慰謝料100万円ということでしょうか?
具体的な事実関係により慰謝料額は左右されるところですが、裁判所の判断の傾向としましては、離婚しない場合には50~150万円の慰謝料額になるところです。