遺産分割協議での弁護士代理進行の具体的な方法と注意点

遺産分割協議の進め方について
家族が亡くなり、相続の手続きを進めています。

相続人のうち1名だけが受取人指定の生命保険金額が少ないです。
受取人指定の保険金は分割外とのことなので
1名の取得分が少なくなり、分割時に揉めるかもしれないと感じています。

◎弁護士さんが代理で分割協議をする際の具体的な進め方を知りたいです。
・過去の判例をもとにした案などは出されますか。
・素人にもわかるような形で提案されますか。

相手方が弁護士に依頼した場合、こちらも依頼すべきなのか悩んでいます。

過去の判例をもとにした案などは出されますか。
→弁護士が書面を書く際には、過去の判例に基づいて主張していくのが一般的です。
遺産分割案を作成する際にも、過去の判例等を前提として作成することになります。

素人にもわかるような形で提案されますか
→弁護士によると思いますが、素人でも分かるようにわかりやすく説明する弁護士が多いと思います。

相手が弁護士に依頼した場合、法的に不利な部分が無いか等確認しながら慎重に進める必要がありますので、弁護士に依頼することをお勧めいたします。

>相手方が弁護士に依頼した場合、こちらも依頼すべきなのか悩んでいます。

相手方の依頼した弁護士が、対立する当事者(例えばアエーさん)に対して、分割案を示す場合は、必ずしもその理論的な理由付けまで記載するとは限りません。
単に、分割の内容だけを示すこともありえます。
その意味では、アエーさんとしても、少なくとも弁護士に相談する必要があると思います。

>◎弁護士さんが代理で分割協議をする際の具体的な進め方を知りたいです。
>・過去の判例をもとにした案などは出されますか。
>・素人にもわかるような形で提案されますか。

過去の判例を参照するのはもちろんですが、弁護士としては、まず、民法等のルールや家庭裁判所の現在の運用や考え方等に基づいて事件対応をすることになります。【素人にもわかるような形】かどうかという点については、当事者も様々な方がおられるので一般化はしにくいのですが、提案というのは合意を促すために行うわけですから、理解してもらえるよう工夫等するのが通常だと思います。
いずれにいたしましても、相手方の代理人から提案等がなされた場合は、一度は弁護士に個別に相談してみた方がよいように思います。

「相手方が弁護士に依頼した場合、こちらも依頼すべきなのか悩んでいます。」
相手方の代理人は仲裁者ではなく、相手方の利益のために行動しなければならないため、こちらも代理人をつけた方が間違いなく良いと思います。
また
「1名の取得分が少なくなり、分割時に揉めるかもしれないと感じています。」
と親族としてその方の性格・考え方を理解した上での意見ですので、その勘はあたります。
つまり、揉める可能性は十分に高いと思われます。
ただ、ご相談者の予想の通り少ない分の調整の(増額)請求があり、それに対し、ご相談者が調整に応じる意思があれば、判例という言葉もでてこないので、法律や判例に従い、その他は法定相続分で当事者のみで遺産分割協議をまとめたいとお考えであると推測されるところ、揉める方はそれに同意されず、結局家裁における調停手続きになる可能性が一番高いと推測されます。
その場合、家裁の調停委員は調停成立のためにいわば和解をさせようとさせますが、和解とは法律上「互譲」というように、双方に譲らせます。
そのため、双方に強くあたるという側面もあるところ、自分にだけ強く当たっていると感じやすいので家裁を信用できなくなる人がそれなりにいます。
実際には双方に強くあたってはいるのですが。
なので、その時、調停委員の意見の意味と考えを理解・推測できる弁護士をつけていれば、家裁に対する不審感を特段持たずに提案の意味を理解できるので、やはり調停の場でも弁護士代理人をつける意味は十分にあります。
つまり、揉める可能性を感じている事案においては、弁護士代理人をつけた方がよい可能性が高いということです。
複数人の弁護士と面談の上、ご相談者の希望する分割案を理解してくれる相性の良さそうな弁護士を今のうちに探しておくことをお薦めします。