分割協議前の遺産(現金・洋服)の無断配布
父が亡くなり、後妻と前妻の子供が法定相続人です。
亡くなる前に生活費として受け取ったと後妻が主張する現金から
後妻が独断で50万ずつを父の兄と姉に渡しています。
理由は父の気持ち思いやったとのことです。
遺産分割協議には考慮せず、遺産の総額から差し引いてほしいとのことですが
拒否可能ですか?
また、遺品の洋服も独断で配ったことも確認しています。
父の家にいるのが後妻のみなので
他にも無断で配っているかもしれませんが、判断がつかずに困っています。
対処法はありませんか?
相続財産がそれなりにあり、相続放棄をしないという前提で法的な見解を述べさせていただきます。
総額から差し引くという意味が、相続財産を減少させるという意味でしたら、拒否できます。
ただし、遺産分割調停では、遺産分割の計算は相続時説(相続時の財産を分ける)ではなく分割時説(分割協議時の財産を分ける、相続時から分割時に間の減少分は、別途訴訟等で決着する)に基づきますので、拒否した分につき話し合いがつかなければ(相手が納得しなければ)、訴訟等で決着をつける必要が生じます。
相続人の意思は尊重すべきですが、遺言書など客観的な資料が残されていなければ、本当かどうかは分かりません。後妻の言い分をそのままうのみにする必要はないと思われます。
なお、現在財産を管理しているのが後妻であることから、勝手な処分が懸念されます。
なるべく早急に遺産分割の話し合いを始めるか、遺産分割調停を申し立てるべきだと思います。
遺品の処分については、本来的には相続人間で話し合って行うべきですが、それほど価値が無く「形見分け」程度でしたら、最後に面倒を見ていた者が主体となって行うことが誤りとまではい言えません。
ただ、何を処分しているか分かりませんので、やはり、早急に遺産分割の話し合いを始めるべきだと思います。
そうはいっても、最後に非相続人の面倒を見ていたのが後妻だけだとすると、貴金属などの処分について止めることは、残念ですが相当困難だと思います。
以上、ご参考まで。