企業での不当な降格人事に対する法的対処法は?
一部上場企業に勤務する部長職の者です。
年明けに、
上司の役員より、来年度(3月~)の人事内示をうけ、係長への2階級降格を突然言い渡されました。
昨年、交通事故で、3ヶ月休職し、10月に別の部署で復職し、直近まで通常に勤務してきました。
降格の理由として、管理職として、後遺症の件もあり、務まらないとの判断だからとのことですが、納得がいきませんし、承諾はしておりません。就業規則に反することをした訳でもありませんし(懲戒)、復職後の勤務も支障をきたしておりません。
【質問1】
就業規則には降格についての事由は明記されておらず、会社判断だと思われますが、違法であることを前提に降格人事の取り消しを会社側の求めたいのですが、どのように動いたらよいでしょうか?
【質問2】
労働審判などは可能でしょうか?
【質問3】
弁護士を立てて交渉をすると
会社に反抗的態度をとったとのことで
一気に解雇に追い込まれたりするものでしょうか?
【質問4】
年収1800万円の管理職です。
高年棒の転職者は、
簡単に解雇できるお聞きしました。
裁判になってら負けるでしょうか?
【質問1】
1部上場企業であれば、降格時の扱いを含む人事管理規定がある可能性が高いと思います。就業規則以外の人事管理に関する規程をご確認ください。
違法であるか否かは、原則として「規程に従っているかいないか」で決まります。
役職の降格があっても、社員等級の降級がどの程度か、給与の減額がどの程度か、それらの不利益処分の程度と人事評価とのバランスがとれているか、などを考慮要素として違法性は判断されます。降格人事というのは、労働法の問題の中では従業員にとって争いにくい部類に入ります。
まずは、規定をよく調べ、受けた不利益の程度と人事評価との比較を丁寧に行うことで、争って勝ち目があるのか否かを判断するのが先決です。
【質問2】
労働審判はもちろん可能ですが、その前に勝ち目があるか否かを判断する必要があります。
争い方の具体的手段はその後に考えても遅くありません。
【質問3】
弁護士を立てて交渉をすれば会社側が感情的になる可能性はありますが、弁護士を立てて交渉したことが正当な解雇理由にはならないので、1部上場企業であればそれを理由に解雇する可能性は低いと思います。
弁護士を立てるというのは、このまま黙って降格を受け入れるという選択肢がなくなり、場合によっては最終的に金銭解決で退職する可能性が発生することを覚悟することになると思います。
【質問4】
高年俸の転職者だからと言って、簡単に解雇できるということはありません。
心理的に会社側の担当者がそう思うことはあるかもしれませんが、高年俸を理由に法律的な意味で解雇のハードルが下がるということは決してありません。
転職者ということも、解雇の際に労働者側に不利に働くことはありません。
管理職が務まらないと言われたなら、問題は人事評価にあるでしょうから、あくまでも人事評価が客観的で解雇に相当する内容かどうかが解雇の合理性を決める基準になります。